一日副官!適声試験!!
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どうぞ。」
フィオーナのひんやりとするほっそりした指の感触をつかの間味わいながら、アイゼナッハはカップを受け取った。そして馥郁とした香りを堪能しながら、唇にカップを傾ける。いいものだ、こういうのは。1日と言わず、こういう女性となら何日だって副官として――。
「ブ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」
とたんにアイゼナッハは中身の液体を口から噴射してデスクにぶちかましていた。鼻に口に喉に、とんでもない刺激物が入り込み、一斉に体のあらゆる機能が最大出力のアラートを発している。
「きゃあっ!!」
フィオーナが慌てて飛び下がり、ついで疾風ヴォルフに負けない快速ぶりで部屋を飛び出すと、4秒後に雑巾を取って戻ってきて一生懸命にデスクの上を拭いた。
「ご、ごめんなさい!私、何かヘンなことしましたか?」
ヘンなこと、ではなく、ヘンなもの、という表現が正確だ!とアイゼナッハは思いながら、ゲホゲホホェェェェとせき込んでいた。
バ〜ン!!というドアが勢いよく開けられる盛大な音とともにグリースが部屋に飛び込んできた。
「ど、どうかなさいましたか!?」
「な、なんだかよくわからないの!突然提督がカップの中身を――。」
「中身?はて、これは――。」
カップの中身をみたグリースが恐る恐る味見をし、とたんに顔をものすごくしかめたかと思うと、若き上級大将にその苦い顔を向けた。
「これはセンブリ茶ではないですか!なんだってこんなものを閣下のお茶になさったのですか?」
「ええっ!?駄目なんですか!?だって、3回ならしたんですもの。3回指慣らし・・・・さんパリッ・・・・サンパリ・・・・センブリ・・・・かなって。」
アイゼナッハと彼の忠実な副官はそのとんでもない強引きわまる解釈に一斉にと息を吐いた。
「そのような強引な解釈は今後厳に慎まれますように・・・・・。」
というのがグリースの、そしてアイゼナッハのフィオーナに対しての心からの感想であり要望であった。
その夕方、ゼー・アドラーは立て続けに失敗した提督たちを囲んで皆がからかっていた。
「駄目ではないか、ご両所とも。アイゼナッハだから良いものの、他の貴族の上官にでも当たったら、それこそギロチンものだぞ。」
ケンプが冗談交じりにそういうと、レンネンカンプは、
「いや、アイゼナッハ提督の意志を理解しようというのは、聡明なご両所をもってしてもなかなか難しいというもの。卿はできるか?」
「いや、難しいな。俺には無理だ。もし俺がアイゼナッハの副官に当たったならば、なるべく無難な回答を出すか、若しくは皆で話し合って結論を出すな。」
「そうよね、さすがに一人だと独りよがりの結論になっちゃうしね。でも難しい!私は自信なくなってきちゃったわ。棄権してもいい?」
「フロイレイン・ティアナがそうい
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