一日副官!適声試験!!
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。」
だが、アイゼナッハは目を一瞬しばたたかせ、それっきり動かなくなってしまった。顔色ににわかに不安と申し訳なさが浮き出てくる。それを見たルッツは嫌な予感がした。先ほどの晴天が一気に暗雲と化すような気分だった。
「ど、どうした?好みに合わなかったか?」
アイゼナッハは申し訳なさそうな顔をし、身をもじもじさせている。と、そこへグリース副官が入ってきた。
「どうかなさいましたか?」
一瞬グリースが動きを止め、一目自分の上官の顔を見た瞬間、顔色が真っ青になった。それを見たルッツの顔色も青色に変わる。何かとんでもないことをしてしまったのではないだろうか。
「・・・閣下ァ!!!」
グリースが慌ててアイゼナッハに駆け寄り、ついであわただしくとった従卒対応の電話口に怒鳴りつけるようにして叫んだ。
「バカ者!!昼飯を用意しろと誰が言ったか!?閣下は専用のトイレ(大)の用意をしてほしいとおっしゃっているのだ!!!ただちに閣下の専用トイレ個室にオマルを設置しろ!!!」
「な、なんだと?!」
ルッツが愕然となった。
「あぁ、ルッツ閣下、申し訳ございません。実は・・・・。」
グリースはそっと顔を近づけた。本来なら非礼に当たるところなのだが、今はいったいどういう意味なのかを知りたいという思いで胸が一杯のルッツにはそれを考慮する隙間などなかった。
「今から申し上げることは他言無用に願います。とても外聞にはばかるものでありまして・・・。」
ルッツはうなずいた。
「実はアイゼナッハ閣下は最近便秘気味なのです。専用のオマルを愛用していらっしゃいまして、これがないと、その、大の方が上手くできないというわけなのです。」
ルッツの頭の上に!マークと、?マーク、そして特大の「がっくり」マークが浮き出ていた。
「そ、そうだったのか、それは失礼なことを・・・・。いやグリース、従卒を責めるな、昼飯は俺が頼んだんだ。・・・・そうか、アイゼナッハ、すまなかった。まさか卿がそのような事態に陥っているとは思わなかった。」
アイゼナッハは申し訳なさそうな顔をし、冷や汗を吹き出しながら、グリースに付き添われて、部屋を出ていった。
「信じられん。いや、信じたくはないというべきか・・・それにしても、アイゼナッハが便秘・・・そのようなことを知らなかったとは、副官云々以前に僚友失格ではないか。」
そう反省し、後で「コーラック」を差し入れしてやろうと思うルッツであった。
翌日――。
「大丈夫!大丈夫!大丈夫!私ならやれる!やれる!やれる!」
黙然とデスクの前に座るアイゼナッハのわきで、一人両拳を前でグーグーして気合いを入れているのは、フィオーナだった。その無邪気なしぐさがとてもかわいい。
ルッツの惨敗を受けた提督たちは緊急会議を開き、聡明かつ美貌の彼女に白羽の矢を立て
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