第65話 お泊まり
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ートで帰らないの?」
「時空間か......あれはかなりチャクラを消費するからなぁ......チャクラが不安定で使えねぇ。適当にその辺で寝泊まりをする。じゃあな」
「........」
前に歩み出したサソリの外套を佐天が掴んで引き止めた。
「?」
サソリが振り返って驚いたように目を見開いて佐天を見下ろした。
引き止めた佐天にもよく分からない感情が支配していて、上手く言葉や考えが出て来ないが......
今行動しないといけない気がした
後で後悔するくらいなら、今出来ることをしたい
でも何を?
何をしたら良いの?
しかし、佐天の理解よりも早く身体は咄嗟に動いて答えを示した。
「あのー、サソリ。良ければで良いんだけれど......あたしの部屋に泊まっちゃったりする?」
最後まで言った辺りで佐天の顔は真っ赤に染まった。熱暴走しそうになりながらも力を入れた手はサソリから離そうとしない。
「!!?」
「いや、体調が悪いなら世話をするし......フウエイちゃんも心配だから」
「......」
サソリは後ろで寝ているフウエイを端目で見ると、少しだけ考えるように空を見上げる。
「良いのか?」
******
佐天が住んでいる部屋に入ると布団に眠っているフウエイを起こさないように慎重に降ろして、優しく布団を掛ける。
「すまんな」
「こ、ここここちらこそ!散らかっている部屋でごめん」
何故か正座している佐天は紅潮した顔でガチガチに固まっていた。
初春や友人を泊めた事は何回かあったが、異性でしかも行為を寄せているサソリが部屋に居るのが不思議な気分だったり、パニックになりそうだったりと、しっちゃかめっちゃかになってしまう。
なりゆきとは云え、初めて男の人を部屋に上げてしまった
なんかお父さんごめんなさい
でも、何か特別な気がするようなしないような......
ここで一緒に過ごさないと後悔する
ただの妄想に近い直感だ
注)初めてではありません(レベルアッパー編)
「......サソリ」
佐天は確かめるようなアクセントで慎重に言葉を選び、紡いでいく。
「あなたは......何者ですか?」
非常に哲学的な命題だが、佐天の中にある疑問の根底を成すモノだった。
いつになく真剣にサソリに問いかける佐天にサソリは居を正した。
「それを訊いてどうする?」
「分からない......こんなに助けてくれているのに......あたしって馬鹿だし、察しが悪いから......サソリの事をもっと知りたいの」
数々の特質的な能力と常人を超えた洞察力で不利な状況をひっくり返していくサソリに一種の憧れを持っていた。
今までの能力者に対する羨望ではなく、純粋なる想い。
「......クク」
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