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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百三十七話 重臣として
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ュタイン司令長官を政治家にする……。つまり司令長官の力で軍を抑えようとしている? 或いはヴァレンシュタイン司令長官の力が大きすぎると二人は見ているのだろうか。軍から引き離して司令長官の力を抑えようとしている? 権力争いとも思えるが、そうなのか? どうも腑に落ちない……。
「卿らも知っておろうが、ヴァレンシュタインは数年後にはフェザーンを降し反乱軍を降伏させるつもりじゃ。そうなった時、何が帝国に起きるか……、卿らは考えた事があるか?」
「……」
どういう意味だろう? 侯は必ずしも肯定的には見ていない。改革が進み宇宙が平和になるが、その一方で問題が有る、生じると見ている。しかし一体何が有るというのか……。ブラッケを見たが彼も困惑している。
私達が沈黙しているとゲルラッハ子爵が後を継いだ。
「門閥貴族、フェザーンは滅び、同盟は保護国と化す。軍の、いやヴァレンシュタイン司令長官の勢威はかつて無いほど大きいものになる。官僚達もその威に服しているのだ、対抗勢力は無いと言って良いだろう」
「……」
話の内容よりもその口調と表情が私には驚きだった。ノロノロと何処かぼやくと言うよりは呻くような口調だった。そして表情には精気が感じられない、絶望しているのではないかと思えるほどだ。
「我々が何らかの政治的決断をしようとした時、常にヴァレンシュタイン司令長官の意向を推し量るようになる。そして軍の中にもそれを利用しようとする人間が現れるかもしれない。そうなれば帝国の政治は軍が動かす事になるだろう。侯が心配しておられるのはそういうことだ」
「しかし司令長官は軍の力を利用して権力を私物化するような方とも思えませんし、司令長官の勢威を利用しようとする者を許すとも思えませんが?」
杞憂だ、この二人が考えているのは杞憂としか思えない。そう思って私が反論するとリヒテンラーデ侯がこちらをジロリと見た。
「そんな事は分かっておる。問題は軍が政治を動かす事が常態化すると言うことじゃ。あれが生きている間は良いかもしれん。しかしその後はどうなる? 何かにつけて帝国の政治は武断的な色合いを帯びよう。そうならぬように今から手を打たねばならぬのじゃ」
「……」
「今はまだ私が生きているから良い。しかし……、ゲルラッハ子爵、私の死後卿が国務尚書になったとしてあの男から圧迫感を感じずに政(まつりごと)を執れるかの?」
リヒテンラーデ侯の問いかけにゲルラッハ子爵は溜息を吐いて答えた。
「とても無理です。何かにつけて司令長官の事を慮るでしょう」
「そうじゃろうの」
リヒテンラーデ侯は私とブラッケを見ながら答えた。分かったか、と言いたいのかもしれない。私は司令長官から圧迫感など感じなかった。それは最初からヴァレンシュタイン司令長官を改革の後ろ盾と考えて
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