第14話 失敗?
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頼を出したいのだが」
声がしたので振り返ると、中年の商人風の男が受付のローゼさんに話しかけていた。
紳士って感じだな。・・・裏は分からんが。
何気なく男を見ていると、男を目が合った。
男は一瞬視線を隣に居るクラインへと向けると、再び俺に視線を向けた。
「彼らの実力はどうかな?」
「彼ら?・・・あのお2人ですか。そうですね、充分だと思います」
「それはそれは」
男は受付から離れると、小さな笑みを浮かべながら近付いてくる。
俺の意識が別に向けられていることに気付いたのか、クラインが振り返る。
「突然で申し訳ないが、君達に護衛の仕事を頼みたい」
「行き先はどちですか?」
「【アンラ・マンユ】」
俺の問いに男が答えた瞬間、クラインの表情がわずかに曇る。
いや、苦々しいと言った方が正しいか。
「ここから、どのくらいですか?」
「そうですね。馬車で急げば3日、ゆっくりと行けば5日といったところだろうか。どうかな?」
クラインを横目で見ると、小さく首を振っている。
言わなくても良い。俺も気持ちは同じだ。
遠そうだから、却下!
「お断りしま「報酬は金貨4枚だ」引き受けましょう」
「おい!」
「それは有り難いね。急で申し訳ないが、今日中に出発したい。昼の鐘が鳴る頃に、西門で会おう」
男はそう言い残すと、踵を返して急ぎ足でギルドを出て行った。
「おい、シュトラーセ!何故、引き受けた!」
「困っている人は助けるべきだろう!」
「お金に目が眩んだだけだろう!」
「当たり前だ!」
「威張るな!」
「そんなに褒めんなよ」
「褒めてない!!」
クラインの肩が大きく上下し、俺を下から睨みつけている。
本来なら、上目遣いならば可愛いはずなんだがな。
クラインがすると、何故か怖いな。
「・・・はぁ。引き受けてしまったものは仕方ない。手続きしよう」
「クライン。【アンラ・マンユ】ってどんな街だ?」
「・・・【万能都市アンラ・マンユ】。商業都市より人が集まると言われる街だ」
それだけなら、クラインの表情が曇った理由にはならないな。
「別名、あらゆる商品がある街と言われている。すべてがな」
どうやら、良いものだけがあるようじゃ無さそうだな。
クラインの様子からすると、道徳的に良くない。
思いつくのは・・・奴隷かな?
断定は出来ないが、あの男もその関係かねぇ・・・。
1つ気になるのはあの男、隣に居たクラインを俺と知り合いだとすぐ気付いていた。
俺たちのことを「彼ら」と言ったからな。俺たちが知り合いということを確信していた証拠だ。
腑に落ちないのは、俺とクラインはギルドに着いてからは話していないっ
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