756部分:第百十五話 星の嵐その四
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第百十五話 星の嵐その四
ムウはその両手を高々と掲げた。そして。
その技の名前を言う。両手を輝かせつつ。
「スターダストレボリューション!!」
「!?これは」
リーヴェがその技を見たその瞬間だった。
ムウの後ろに銀河が見えた。そうしてだった。
そこから無数の流星が降り注ぐ。それは空間を無視したものだった。
「流星がこの中に」
「そうです」
まさにそうだというのである。
「私はこの技だけは使うまいとしていました」
「力故にですか」
「そうです、あまりにも恐ろしいこの力」
己の技であってもだというのだ。
「この力を使うことは全てを壊しかねません」
「それをあえて使った」
「今がはじめてです」
リーヴェに使ったのがだ。そうであるというのだ。
「貴方に。そして」
「そして」
「この力。私の全てでもあります」
降り注ぐ無数の流星の中での言葉である。
「これで全てを終わらせます」
「くっ、ならば」
リーヴェもそれを見てであった。己の技をムウのスターダストレボリューションに向けた。そうしなければ倒されると判断してのことである。
「これで」
「技と技の闘いですね」
「勝った方が生き残ります」
リーヴェもまた全てを賭けていた。彼もそうした意味でムウと同じだった。
「この技と技の応酬の中で」
「そうですね。それでは」
「負けはしません」
普段のリーヴェではなかった。優雅なのはそのままだ。しかしその中にこれまで見せたことのないような凄まじい闘志を含ませていたのだ。
その赤い小宇宙、嵐にさえ見えるそれをぶつけてだ。そうして言うのであった。
「私もまた」
「同じです」
「そうですね。何度もお話している通りですね」
「アテナの聖闘士として」
ムウの言葉である。
「決して」
「アーレス様の御前に通すことはできません」
己の決意をこう言い換えたリーヴェだった。
「何があろうともです」
「そうですね。それが貴方の信念」
「そうです」
「そして私の信念は」
互いに言い合いであった。
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