755部分:第百十五話 星の嵐その三
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第百十五話 星の嵐その三
「戦うのか」
「そうです、教皇でありながら」
「いや、教皇もまた前線で戦うものだ」
「そういえば。あの者はあの時も」
「そうだったな。あの時のことを思い出すのだ」
「はい、それでは」
エリスは兄神の言葉に頷いた。そうしてであった。
「あの時のことを肝に命じて」
「戦うがいい」
「わかりました」
こうしてであった。エリスもまた来るべき戦いに意識を向けていた。今は誰もが戦いの中にその感情を見せていたのである。トラキアにおいて。
ムウとリーヴェは向かい合ったままお互い小宇宙を高め合っていた。そしてその中でリーヴェはムウを見据えてそのうえで言ってきた。
「いいですね」
「来ますか」
「私の技、受けてもらいます」
こう言ってきたのである。
「そして勝つのは私です」
「少なくとも覚悟はしています」
「覚悟はですか」
「はい、貴方の技を受ける」
このことをであるというのだ。
「それは覚悟しています」
「ではそのまま死ぬのです」
ムウのその言葉を聞いたリーヴェの返答だった。
「私の技を受けて」
「受けても死ぬ訳にはいきません」
「むっ!?」
「ルキフグス、貴方の技を防ぎきることは」
ムウは冷静だった。冷静なまま彼に対して言ってみせたのである。
「おそらく無理でしょう」
「無理だというのですか」
「はい、クリスタルウォールをもってしてもです」
「あの壁ですか」
「貴方の小宇宙を見る限りそれは無理です」
ムウはそう見ていた。そしてそれは間違いないと確信もしていた。
「あの技を以てしても」
「そうでしょう。私もまた本気です」
言葉にもそれは出ていた。リーヴェにしても負ける訳にはいかなかった。それでこう言ってみせてだ。今まさに技を放たんとしているのだ。
「それでは」
「来られますか」
「決めさせてもらいます」
こう言ってであった。今その技を出すのであった。
「パンデモニウム」
「パンデモニウム!?」
「このルキフグスは魔界の宰相」
己が司る魔神の話をまたしてみせた。
「伏魔殿の一切を取り仕切る者とされています」
「魔界の全てを」
「その力、今こそ」
言いながら紅蓮の小宇宙を湧き起こらせてだ。そうしてその小さい宇宙をミロに向けて放ってみせたのである。それを攻撃としたのである。
「受けるのです、アリエス」
「小宇宙、これは」
「そう、私の全ての小宇宙に力を込めています」
そうしているというのだ。
「私のありとあらゆる力をです」
「それで私を倒すと」
「如何にも」
「そうですか。それで私を倒すおつもりですか」
「この小宇宙、防げますか」
ムウに対する問いであった。
「アリエス、貴方には」
「ならば私も」
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