クエスト失敗?
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聞き驚きを隠せない相方。しかし、自信満々な表情の少年の戦い姿を見た彼は、山頂に向かって飛んでいく。ただし、大切な仲間の姿を見ることができる位置で隠れて忍んでいたが。
「邪魔者を遠いところに置いたのか」
「そんなんじゃないよ。あいつに死なれると困るからな」
レオンにとってラウルは自分の命よりも大切な存在。何よりも優先するべき家族以上の存在だ。ゆえに、極力危険なことからは離しておきたいし、自分に万が一があった時のためにもこれがベストな判断だと認識していた。
「ただ、俺に有利な環境に変えさせてもらうけどね」
「何?」
少年がそう言うと、突如視界が真っ白になっていく。それは、ここ一帯を常に覆っていたものと同じものが吹き荒れてきたからだった。
「ほう、そんなこともできるのか」
かつてシリルを追い詰めたレオンの超広範囲魔法“破滅の冬”。それを発動できる彼の魔力の大きさに、青年は感心していた。
「だが、それは我には無意味だ」
「!!」
視界を遮り、なおかつ相手の体をかじかませ動きを鈍くさせる少年の魔法。それなのに、目の前の強大な力を持つ人物は普段と変わらぬ身のこなしでレオンの目の前へと現れる。
「すげぇな、お前」
まさかすぐに来るとは思っていなかったレオンはそれを防ぐので手一杯。だが、それでもダメージを受けることなく凌ぐことができた彼は、自ら間合いに入ってきた敵に拳を打ち込む。
「なんだ、攻め方は変わらんのだな」
レオンの目では追いきれないほどの拳を片方しかない腕で受け止める男。彼は自分と互角に渡り合う少年を見て、楽しそうに頬を緩ませる。
「・・・」
対するレオンは真逆の表情だった。敵が楽しそうにしているほど、彼の心は曇っていく。
(こいつは間違いなく俺が出会った中で一番強い・・・んだけど)
漏れそうになるため息を必死に飲み込む。少年が今まで戦ってきた・・・目にした相手の誰よりも目の前にいる青年は強い。もしかしたら聖十大魔道に認められた自身よりも上を行くかもしれないと最初はそう思っていた。
(いや、間違いなくこいつは強いんだ。今まで見た誰よりも)
その考えだけは今も変わらない。ただ、彼の中であることが引っ掛かっていた。
(なんだろう・・・つまらない)
彼自身戦うことを望む戦闘狂などでは決してないのだが、最近本来の力を取り戻したことによりまともにやりあえる相手がどこにもいなかった。
ドラゴンも思ったほど強くなく、やる気もなかったためそれなりに戦うことができた。マーガレット祭の時に特殊能力で強化されたトビーも期待通りの力を発揮してはくれなかった。だから、今こうして渡り合っ
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