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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
クエスト失敗?
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を抱いていた。なぜか右腕しか使わず、一度出した拳が退けられるとすぐさま引き戻し対応する。効率が悪い攻めを見てナメられているのかとも思っていたが、しないのではなくできないのであると知り、納得したようにうなずいている。

「うぬもなぜ左腕ばかりを使う。どちらの腕も健在なのであろう?」
「あ?気になった?」

青年もまた、少年の戦い方に訝しげな表情を浮かべる。序盤ほど両腕を駆使して対峙していたはずなのに、少年は徐々に左腕ばかりで対応するようになり、今では自分と同じ、片腕だけの戦法を使っているのである。両腕が見えているだけに、それには怪しげな顔をせざるを得ないのだ。

「そっちが片腕だけなら、条件を合わせてあげないと」
「・・・」

自分の力を過信しているかのような、敵対する男を見下すかのような発言。これには青年は怒りを覚え目を細めていたが、少年は本当の理由を悟られないように必死に表情を作る。

(お前が前に出てくるから、左腕で防ぐしかないんだよ)

長髪の男が右腕で攻撃してくることもあり、比較的レオンの左半身に攻撃が集中していた。なので、若干とはいえ距離が空く右腕よりも左腕で防御をし、いつ出てくるからわからない左腕からは届くまでに時間のかかる左半身を狙わなければならない。必然的に左腕を中心とした攻めが多くなってしまうのだ。

(まぁ、右手ケガしたら食事に困るのも理由の一つだけど)

成長期だからか、はたまた生まれつきなのか、レオンは食事量が異様なほどに多い。彼が食べることが好きだからそうなってしまうのは仕方ないことなのだが、もし利き腕である右手をケガしたらそれに影響が及んでしまうため、極力使いたくないのも理由なのである。

「でも、仕方ないか」

両肩を上下に上げ下げを行い、グルグルと数回回す。関節を動かすことにより、一ヶ所だけに疲労が溜まることを回避することができ、次の行動にスムーズに入ることができる。

(そろそろ、本気で行く)

一つ息を大きく吐き敵を見据える。その目は真剣そのもので、先程までと同じ人物がしているものとは思えないほどだった。

「やっとその気になったか」

それを見た長髪の男も目の色を変える。互いに人智を越えた戦闘を繰り広げていたにも関わらず、まだ本気を出してはいなかったらしい。

「あの〜・・・二人より先にラウが消し飛んじゃうかも?」

肉体から放たれる魔力がさらに増していく二人を見て、雪に埋もれつつあるオレンジ髪の少年はボソッと率直な感想を述べている。

「大丈夫だラウル。お前は先に山頂に向かっててくれ」

その少年の声を聞き、そちらに視線を向けずに山の頂上を指さす金髪の人物。

「えぇ!?大丈夫なの!?」
「あぁ。大丈夫だから、心配すんな」

その声を
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