ガンダムW
1563話
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遅さと表現するに相応しいものだった。
袈裟懸けに振り下ろされた五飛の青龍刀を、あっさりと1歩後ろに下がるだけで回避する綾子。
そして後ろに下がりながら手首の動きで物干し竿を返し、次の瞬間には五飛の首筋に刃が突き付けられていた。
奇しくも、その動きは原作で五飛がトレーズを相手に負けた時と同じような流れだった。
「……くっ、殺せ」
いや、女騎士ならともかく、五飛がくっころをしてどうする。
しかもオークとかが相手じゃなく、綾子に対して。
「腕はそこそこといったところか。ただ、全体的に技量が未熟で稚拙。……MSの操縦技術だけではなく、もう少し生身の戦いも訓練した方がいいな」
「くっ、殺せ」
2度目のくっころが出た。
五飛にもある程度の技量があるからこそ、自分と綾子の間にある技量の差を理解出来たのだろう。
女とは戦わないとか言っていただけに、綾子に何も出来ずに負けたというのは、五飛の衝撃はより強い筈だ。
「分かったか。女であっても、強い者は強い。それこそ、五飛が数人……いや、十人以上集まっても、綾子を相手にしてはどうしようもない程にな。……ちなみに凛の方も、綾子程ではないにしろ十分に強いぞ? 時間は……」
補給と整備を行っている方へと視線を向けるが、そこではまだ終わりそうにない。
「どうやらまだ少しあるようだし、凛とも戦ってみるか?」
「ちょっと、アクセル? 一応私は後方要員なんだけど?」
不満そうに言葉を濁す凛。
正確には後方要員ではなく、魔術師だと言いたいのだろう。
……魔力で強化された身体能力で八極拳を使う凛の、どこか後方要員なのかと言いたいが。
普通であれば魔術師と言えば後方要員という表現が相応しいのだが、残念ながらと言うべきか、Fate世界の魔術師は……特に凛はその辺が大きく違う。
「分かった。胸を貸して貰おう」
五飛の言葉に、少しだけ驚く。
綾子に対しては完全に上から目線だった五飛だが、その実力をしっかりと確認すると謙虚になるとは思えなかった。
勿論それを狙っていたのも事実だ。
女や弱い者を見下すような態度が目についた五飛だけに、シャドウミラーの中では自分が一番下の存在だと、その身に思い知らせる必要があったのだから。
未だに文句がありそうな凛だったが、俺が視線を向けると小さく溜息を吐いて綾子と入れ替わるように五飛と向かい合う。
「今夜……は無理だけど、今度ゆっくりとサービスして貰うから、そのつもりでね」
「分かった。思う存分責めてやるから」
「ふふっ、その言葉は忘れないようにね」
艶然とした笑みを浮かべる凛に、MSの整備や補給をしている整備員達が思わずといった様子で手に持っていたスパナのような道具を落とす音が聞こえ
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