閑話B
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試作システムによるレイ君と、ユキヤと言われた二人のバトルは、無事に幕を降ろした。
あのバトル以来、レイ君は何か吹っ切れた様子だった。他の皆もそうだ。より団結力というのが深まったような気がする。
気がすると思った理由は、相変わらずの態度と口の悪さからだ。だけど、その全てに、柔らかくなったというか丸くなったというか、とにかくそんな事を感じた。
しかし、まだ改善点や課題は山程ある。ムウさんの言葉を借りるとしたら、まだヒヨッコだ。けど、逆に言い換えれば、まだまだ伸びしろはあるということだ。今後の鍛え次第で、いくらでも強くなれる。
「ふぅ…………」
試作システムのバトルから二ヶ月が経った。もうすぐ夏休みだ。本格的に鍛えるにはちょうどいい期間だ。
「となると、皆に課題を出さないとな〜」
勉学の課題ではなく、ガンプラ関連の課題だ。準備はある程度出来ている。知り合いにも何人か声をかけたし、あとは任せられるだろう。
もちろん、この課題が全てではない。あくまで道しるべに過ぎない。ちゃんと自分で考え、自分で答えに辿り着いてほしい。
そして願わくば、予想を越える成長を遂げてほしい。そっちの方が、見てるこっちも楽しいし、嬉しいからだ。
「まあ、為るように成れ、てね」
ポケットから鍵を取り出し、自分の家の玄関の鍵を開ける。
「ただいま〜」
「お帰り……」
玄関を開けた先には、出迎えて来た人がいた。あらら…………ばったり出くわしたって感じか。ってあれ?
「この匂い…………肉じゃが? 」
「正解…………もうすぐ出来るから、鞄とか置いてきといて……」
「了解〜」
家の中へと入り、鼻歌混じりで自室へと鞄を起き、すぐに台所の方へと向かう。
「何か手伝えることってある? 」
「じゃあ……お皿お願い……」
「オーケー。大きさはこれでいい? 」
「うん…………ありがとうね……」
「気にしない気にしない。さっ、用意しよっか? 」
「うん……」
皿を数枚とお椀を取り出し、肉じゃがと白米を装おってご飯の準備を手伝う。そして手伝っている間に、台所の上にある物体が視界に入った。
「…………ミサキさん。視界に、僕の苦手なトマトが入ってるんですけど、夕飯に使うものですかね? 」
夕飯の準備をしている、モチヅキ ミサキの方を見つめて聞く。
「トウイ君………好き嫌いしない……」
と、ジト目で見ながら言われた。
「う゛っ…………はーい……」
はあ〜…………前回は「別の野菜で包んで食べてなんとかしよう! 」作戦は失敗したし、今回はどうしようか……。
「トウイ君…………頑張って食べてね……」
「頑張りまーす………」
そう
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