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Three Roses
第二十六話 叔父として王としてその十二

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 そうした話をしてだ、マイラは二人にこれからのことを考えていた。そうしてこれからのこともあらためて考えるのだった。
 当然ながらマリーもだ、考える顔で彼女の側近達に話した。
「またお姉様とお会いしましたが」
「その時にですね」
「何かありましたか」
「それではそれは一体」
「何でしょうか」
「はい、自信が出て来た様な」
 会ったマイラの気にというのだ。
「そうした感じがしました」
「自信、ですか」
「あの方に」
「それが出て来た」
「そうなのですか」
「そう思ったのです、どうも」 
 マイラはその目を鋭くさせてだ、そして。
 そのうえでだ、四人の側近達にこうも話した。
「頼れるものが出来た」
「と、いいますと」
「やはり」
「あの方ですか」
「そしてあの方が背負っておられる」
「ロートリンゲン家が」
 まさにこの家がというのだ。
「信じられる、若しくは」
「若しくは?」
「若しくはといいますと」
「受け入れられてです」
 そのうえでというのだ。
「頼れる様になったのでは」
「あのお家をですか」
「ロートリンゲン家を」
「帝国の帝室であり大陸一の権勢を持つ」
「あの家をですか」
「そうです、あの家はです」
 ロートリンゲン家、この家はというと。
「我が国を手に入れるつもりです」
「その通りですね」
「あの家は常にそうです」
「婚姻により国や領地を手に入れてきました」
「その国に伴侶として入り」
 そしてとだ、ロドネイ公達も言う。
「子をなし」
「そしてその子が国を継いで、ですね」
「その国をロートリンゲン家のものとする」
「そうしてきましたね」
「ですから」
 マリーはまた言った。
「私はお姉様のそれを危ういと思っています」
「確かにエヴァンズ家の血は残りますが」
「マイラ様のものは」
「しかしです」
「ロートリンゲン家となることは間違いないですね」
「思ったよりいもです」
 危機さえ感じてだ、マイラは言った。
「ロートリンゲン家が入ってきていますね」
「我が国に」
「旧教徒達に」
「太子の影響もですね」
「強くなっていますね」
「太子は今やです」
 マリーは彼のことも話した。
「旧教徒達の盟主ですね」
「はい、まさにです」
「そこまでの方になっています」
「何時の間にといいますか」
「最早」
「そうですね」
 まさにとだ、マリーも頷く。
「あの方は今では」
「この国の旧教徒の盟主です」
「そうしたお立場になっています」
「帝国の力も背後にありますし」
「ご自身の資質もあり」
「皇帝になられる方だけはありますね」
 側近達にだ、マリーは述べた。
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