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Three Roses
第二十六話 叔父として王としてその九

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「そして拷問にかけてです」
「火刑ですね」
「それも行います」
「魔女といいますが」
 オズワルド公も話す。
「その実はです」
「魔女ではない」
「魔女ならばです」
 若しだ、捕らえられた者達が魔女ならというのだ。
「捕らえられるでしょうか」
「彼等に」
「おいそれと」
「魔術で、ですね」
「逃げるのではないでしょうか」
 こう言うのだった。
「隠れることも出来ますし」
「猫なりに化けて」
「そう出来る筈です」
「はい、私もです」
 マイラもここで言うのだった。
「その様にです」
「お考えになったのですね」
「そうなりました、ですから」
「だからですね」
「はい」
 それ故にというのだ。
「魔女についても」
「おかしいと」
「魔女と思われた者が魔女なら」
 若しそうならというのだ。
「最初から捕まらないか捕まっても」
「逃げますね」
「それか隠れますね」
「そして難を逃れる筈です」
 若し異端審問の者達が言う様な魔術を捕らえた魔女達が使うのならというのだ。その場合はだ。
「確実に」
「そうなる筈だというのに」
「しかしです」
 それでもというのだ。
「魔女はです」
「そうなりませんね」
「ですから」
「魔女は捕まえられない」
「彼等では」
「だからですね」
「彼等の言う魔女はいません」
 彼等が捕らえた中にというのだ。
「絶対に」
「私もそう考える様になっています」
 また司教が言ってきた。
「彼等は」
「魔女では、ですね」
「魔女はです」
 どうしてもというのだ。
「存在しているでしょうが」
「異端審問には捕まらない」
「そうしたものですね」
「どう考えてましても」
 魔女、そう言われている存在はというのだ。
「人だったものではなく」
「悪魔と契約したというよりは」
「まさに悪魔そのもの」
「しかもかなり位の高い」
「魔王と言われる存在の域です」 
 そこまで強大だというのだ、異端審問官の者達が魔女だと捕らえ拷問にかけられ処刑されている者達はだ。
 その彼女達についてだ、マイラは言った。
「古の魔王達を使役した王と同じだけの魔女が多いですが」
「はい、あそこまでのですね」
「強大な魔力を持った」
「そうとした思えない魔女がです」
「為す術もなく捕らえられていますが」
「それだけの魔力があれば」
 どう考えてもというのだ。
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