マザーズ・ロザリオ編
絶剣
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
エクスキャリバーのクエストから早数日。雪羅、雫、シューの三人はとある場所に来ていた。
「まさか、こんな時期に墓参りとはな・・・」
「まぁ、こんな時にしか来れないからね」
「最近、聴取やら何やらでゴタゴタが多かったしね・・・」
数は減ったものの、今でも定期的に行われるSAOに関する聴取。これに加え雪羅は現在もアクアの開発に携わり、雫は領主補佐として雪羅のサポートをするのと同時に、最近では教員免許を取得するために勉強に勤しんでいる。
シューに至ってはダイシーカフェでアルバイトとして朝から晩まで働いている。何故SAO帰還者専用の学校に通わないのかと理由を尋ねたところ、本人曰く料理の勉強をしたいらしい。しかし最終学歴が中卒、高校中退というのも何と無く気になり、シオンたちが入学して暫くして受けた編入試験を一発で合格し、見事編入してきた。
「まったく、なんでこんな高台に慰霊碑なんて建てたのか菊岡さんに問いただしたい気分だ」
「君はなおのこと大変だしね」
「坂と冬はバッテリーを喰うから嫌いだ」
「アハハ・・・」
雪羅の愚痴に対して顔を見合わせて苦笑いをする二人。そんなこんなしていると頂上の慰霊碑に到着した。
花を手向けるとそれぞれ手を合わせて黙祷を捧げた。
黙祷を終えて帰ろうとした時、雫はシューの姿に何かを感じとった。
「シュー?」
「知ってたか?あいつはここに来るたびに、ああやって長い時間黙祷を捧げるんだ」
「えっ?うん、そういえば確かにそうだった気がする」
確かにシューは慰霊碑に来ると普通の人よりも長く居座っていることが多い。ただ何かをするわけでもなく、ずっと手を合わせている。そう思った雫は自分の思ったことを述べた。
「罪滅ぼし、なんだろうな・・・」
「雪羅?」
「悪い、雫。先に下に行っててくれないか?」
雪羅のお願いに雫は何も聞くことはなく、そのままもと来た道を下って行った。後ろ姿を見送った雪羅は今なお手を合わせているシューの横に移動した。
「今日はどんな謝罪を述べているんだ?」
「・・・多くのプレイヤーを殺した。この手で・・・」
「それは仕事だったからだろ?それにお前の本心でやった事ではない」
雪羅の意味深な発言に対してシューは弱々しく返す。
「それでも、僕は、関係のない人間を巻き込んだ・・・」
「だとしても、あれだけの犠牲で済んだのはお前が抑えつけられたからだろ?そうでなければもっと多くの人間がここに刻まれていた」
雪羅は目の前の大理石の壁に触れたそれは固く、冷たい感触。悲しみの声が聞こえてきそうだった。
「そろそろ、罪滅ぼしの為に戦わなくていいんじゃないか?」
「・・・・・」
シューはその言葉に
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ