24話 日常回その1
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の安全の確保と相手の視界を封じ、視覚外からの突撃に強引な緩急の踏み込みですわね」
鬼一自身、1つの対策に固執することはないのだが、様々な方向から攻略を検証しているが結局機能してくれているのは今の方法なのだ。そこからの派生、バリエーションを増やして対抗手段を確立しつつある。
その対抗手段に対してセシリアが更に対策を組立て、両者の間に生まれる駆け引き。その駆け引きでの勝敗の差がそのまま結果になる。そして今日はセシリアに軍配が上がった。
「例えばですけど防御弾道が爆発する前に撃ち落とすこととかって出来ません?」
その鬼一の提案にセシリアは虚を突かれたように小さくを口を開けてしまう。
「……軌道が分かれば『置く』ことで対応出来るかもしれませんが、ですがあの弾道はランダムな軌道で飛来してくるので―――」
飛来してくる防御弾頭、その軌道さえ分かればセシリアはティアーズを先回りさせレーザーを『置く』ことで撃ち落とすことが出来る。だが現実問題としてそれはあまりにも難しい。複数の軌道を同時に読み切って、そこに4つのティアーズを回り込ませて撃ち落とすタイミングを測るなどいくらなんでも現実的ではない。
だが―――、
「……」
「何か、気づきましたか?」
「確かに落とすことは難しいですが―――奇襲を仕掛けてくる鬼一さんのルートを『塞ぐ』ことは可能ですわ。今回のケースがそれに近いですわね」
1本のレーザーだけでは鬼一の前進を食い止めることは出来ない。そんなもので怯むような性格でもない。だが、4本のレーザーで完璧に進行方向を封鎖すれば話は変わる。1本と4本では火力差は歴然。それだけの火力があれば鬼一や他の近接寄りの操縦者も前進は出来ない。
「防御弾道は性質上通常の爆発に比べてそれなりの時間残りますし、防御弾道よりも速く移動出来ない以上、奇襲を仕掛けるには必然的に迂回することになります。今までは狙撃による迎撃を選択していましたが、ティアーズによる擬似的な包囲、そして掃射。少なくとも今まで以上のプレッシャーを与えられるかもしれませんわね」
後はその応用。他の操縦者は鬼一のように防御弾頭を用いることは少ない。自分の技量と身体能力に依存した戦い方をしているのと、攻撃兵装が拡張領域を埋めるのがその要因。
「―――そこにライフルによる狙撃も加わったら後退するしかないですね。きっと」
「それは後日検証するとして―――チェンジオブペースの開発は如何です?」
セシリアのその問いかけに鬼一は表情が苦いものになる。
「……正直、あまり進みはよくないです」
ISの歴史そのものが浅いということもあって技術の研究や開発は進んでいるわけではない。正確にはまだまだ手探りの段階というべきか。
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