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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
24話 日常回その1
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は身体を起こして立ち上がる。左手に持っていたパックは袋に入れ、地面に放置していた眼鏡をかけ直す。

「今日も付き合ってくださってありがとうございます。清香さん、静寐さんもありがとうございました」

「ううん、こっちも勉強させてもらったから」

「セシリアもこっちの突然の注文を受けてありがとうね」

 鬼一のその声に清香と静寐の2人も立ち上がって礼を述べる。鬼一やセシリアよりも速く練習が終わった2人の表情に汗はない。それに対して鬼一とセシリアにはまだ疲労が見える。

「ISを学びたい、ということであれば代表候補生の私が拒むわけがありませんわ。協力できることであればいつでも」

 疲労が残っていてもセシリアの表情と所作には優雅さを無くしていない。まさしく、イギリス貴族の名に恥じない立ち振る舞いであった。

「じゃあ、私たちは上がるねー」

「お先!」

「お疲れ様でした」

 ISスーツを着ている2人はそう言ってピットを後にする。

「じゃあ、反省会を開きましょうか鬼一さん」

「はい」

 清香と静寐が立ち去り2人の時間が始まる。男女2人の時間、というと色気のありそうな雰囲気だが両者の間にはそのような空気は微塵もない。そこには強くなるための真剣な討論が存在する。

「ティアーズの攻略についてですけど、これ、もっと違う使い方とか出来ないんですかね?」

 以前からの疑問を鬼一は口にする。

「確かに死角からの攻撃だけでも困りますけど、もっと守りとかでも活かせないんですかね?」

 視覚外から高速のエネルギー弾が飛来してくる、それだけでも厄介。だが単一での、限定的な運用しかしていないのであれば対応手段はいくらでもある。今回に関しては鬼一の対応が対策されて後手に回されてしまったが。

「私もそれは考えていますが、試作のティアーズでは火力不足はどうしても否めません。火力が低いということは威嚇も難しくなってきますから。かと言って貴重な弾道型を威嚇に使うと言うのも……」

 一夏は純粋なインファイター、鬼一は自身の技術や体力を考えて戦術を組み立てるが最終形は近接戦が多い。ありとあらゆる手段を賭して距離を詰めようとする。
 遠距離射撃型のセシリアとは対極の位置にいる2人。足を止めて前進を阻まなければいけないのだが、スターライトmkVの威力なら威嚇に使えるがティアーズでは威力が足りない。かと言って今のセシリアでは両方を同時に運用することは出来ない。

「それよりも相手の武装の無力化とかはどうです? もしくはもっと割り切った使い方とか」

「無力化、と言いますと?」

「例えば僕は今、ブルーティアーズの攻略の根底には防御弾道とチェンジオブペースによる奇襲があります」

「防御弾道で自分
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