24話 日常回その1
[3/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ことになってしまうのだ。
防御弾頭の爆発範囲、自分とティアーズの位置、防御弾頭が展開される前の鬼一の位置、鬼一が次取りうるいくつかの選択を制限しセシリアは答えを導き出す。
「―――どっちが正解だ?」
鬼一は目の前の情報と、以前の情報から思考を進める。
―――セシリアさんの空間把握能力なら僕の位置は明らかに見えている。見えているならビットによる包囲を完成させてからの一斉射撃だって可能。必然的にこの爆発の内側で待つのは下策―――。
両者の間に繰り広げられる読み合い。この読み合いに関しては鬼一が圧倒的に不利。だがそれくらいの不利など鬼一にとっては日常茶飯事。そんな状況からでも自分が勝つ手段を最速で構築。
鬼一はティアーズによる包囲が完成する前に鬼神を急降下させる。上昇と降下、どっちにもリスクは存在するが、鬼一は降下する方がリスクは少ないと踏んだ。
上昇なら自分の下は防御弾頭の爆発でティアーズが来ることはないが、自分の背中を上から叩かれる可能性がある。
逆に降下ならば背中は防御弾頭で守られ、下は地面でフォローすることが出来る。無論、ティアーズの攻撃の危険性はあるがある程度回避出来た。
鬼一の視界の上部に僅かに映る蒼いIS。その姿を捉えた瞬間、鬼一は瞬時加速で一気に上昇。開いている間合いを詰めようとし―――、
「―――っ」
そしてそれは失策なのだと悟る。
銃口を鬼一に向け、ライフルを構えていたセシリアが待ち構えていた。瞬時加速している以上はその狙撃を今から回避することは出来ない。
セシリアが引き金に力を入れた瞬間、鬼一は自分の右肩を貫かれたような激痛を覚え、そして地面に叩きつけられることになった。
―――――――――
4人はピット内でそれぞれのISをチェックし、最後のミーティングをする。ISのチェックが完了した4人はそれぞれ思い思いに地面に座り込みながら休んだり、壁に身体を預けながら手元のタブレットで今日の内容の確認、右肩を打ち抜かれてダウンしている鬼一はぼんやりと宙を見上げる。
ダウンしている鬼一の姿を見るのは始めてではないセシリアはタブレットで試合内容の反省中。清香と静寐は今回からの参加で、鬼一のその姿に心配したが鬼一とセシリアからは「いつものことです」の一言でそれぞれ休むことにした。
―――迂闊すぎたな。……防御弾頭の弱点を上手く突かれたというのと、僕がリスクを避けようとする癖を読まれて先回りされたんだ。そして、痛い……。
仰向けに倒れたまま栄養補給のためのゼリーを身体に流し込む。パックを握りつぶす手に力が入らないが、負けたショックからではない。決して。決してだ。
「鬼一さん、今日もお疲れ様でした」
自分の頭上からセシリアの声。その声に鬼一
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ