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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
24話 日常回その1
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ナの宙を飛行する2機のIS。時折、両機の間に様々な光が飛び交い、弾丸が交差する。
 損傷著しかった第2アリーナの修理は完璧であり、先日無人のISによって付けられた無数の傷跡は綺麗に修繕されていた。その状態は鬼一たちがよく知っている、以前のアリーナ。それを見ると、ホントに先日の事件は現実だったのかさえ疑問に感じられた。

「……うひゃー」

「セシリアは分かるけど、鬼一くんがここまで代表候補生と戦えるなんて凄いね」

 感心の声を漏らす清香の声と、その清香の心の声を代弁する静寐の声。だが静寐の心境も清香と大差のないものであった。
 一国の代表候補生であるセシリアの実力は疑う余地はないが、その代表候補生に勝ったとは言え、まだISに乗り始めて日が浅い鬼一の実力はまだまだ評価が難しい。そうでなければ2人が感嘆を漏らすわけもない。
 2人はそれぞれ打鉄を身に纏い、シールドエネルギーを回復しながらアリーナの隅から鬼一とセシリアの試合を眺めていた。
 基礎的な操作練習から始まり、ウォームアップが終了したら1対1に試合形式の練習を行っていた。今回は実力差の少ない清香と静寐の組み合わせと、鬼一とセシリアの組み合わせで練習試合を行っている。2人の試合は既に終わっていた。だから鬼一とセシリアの試合を見学していたのだ。

「―――ちっ!」

 イラついたような鬼一の舌打ち。その舌打ちに合わせて両肩のミサイルポッドが火を吹く。発射されたミサイルの数々、防御弾頭が鬼一の前面に広がり爆破。一瞬にして青白い光球がいくつもアリーナに作られる。

 セシリアのブルーティアーズ対策、ビット攻撃を無力化し自分が攻撃に移行するための起点。だがそれは明らかに『使わされた』。故に鬼一は舌打ちを零してしまったのだ。

「もう、それはわたくしには通用しませんわ!」

 迂回するようにティアーズが展開される。アリーナにいつも以上にティアーズを広く展開する以上、セシリアは視界を広く持ちアリーナ内の状況を事細やかに理解する必要がある。必然的にセシリアの負担は増大する。一歩間違えればミスを生み出しかねない。

 だが、その程度出来ないでどうして代表候補生を名乗ることができようか。

「―――」

 セシリアの脳内に広がるシュミレーション。
 防御弾頭は大部分の射撃武装を無力化出来る、打ち消すという点においては極めて優れた兵装ではあるが、その性質上決して避けることのできない弱点も眠っている。鬼一もそれを理解している。
 防御弾頭は一度爆発すると広範囲に渡って爆発が『残り続けてしまう』。広さに制限のあるIS学園のアリーナだと、使用してしまえばその広さが更に制限されてしまう。広さが制限されてしまうということは逃げ道がその分減ってしまう、もっと言えば鬼神の機動力を削る
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