748部分:第百十三話 氷の奥義その五
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第百十三話 氷の奥義その五
「また闘う。その時は」
「どうなるかだな」
レダが述べた。
「次の闘いでは私も敗れるつもりはない」
「それは私も同じことだ」
「貴様もか。ならば次も激しい闘いになるな」
レダの目にはもうそれが見えていた。彼等の次の闘いがだ。
「私は何度蘇ろうともアーレス様の戦士だ」
「私は幾度生まれ変わろうともアテナの戦士だ」
二人の言葉は微妙に違っていた。しかし一つの命でお互いに幾度も闘うことには変わりがなかった。そうしたふうに考えるならばだ。
「そのうえで貴様を倒す」
「よし、それではだ」
「次の闘いまではか」
「私は眠る」
あえてこう言ってみせたのである。
「それではだ」
「眠るのか」
「そうだ、眠る」
カミュにまた述べた。
「暫くな。だからだ、今はだ」
「行けというのだな」
カミュもレダの考えはわかっていた。そのうえでのやり取りであった。
「私に。これから先に」
「貴様は勝った。ならば当然のことだ」
先に進むことがだというのである。
「だからだ。行くといい」
「わかった。ではその言葉受けよう」
「受けるのだな」
「最初からそのつもりだった。しかしその言葉確かに受けた」
受けたのは言葉だけではない。他のものものだ。だがカミュはそれを全て言葉に内包させてだ。そうした受け応えになっていたのだ。
「今な」
「そうだ、受けたな」
「確かにだ」
「では行くのだ」
言葉は多くはなかった。
「先にな」
「そしてアーレスを倒す」
「倒せればだな」
ここでレダの言葉が変わった。
「そうしてみせることだ」
「倒せればか」
「そうだ、アーレス様は地上だけでなく天界も治められるべき方」
アーレスへの忠誠は絶対であった。レダもまた、だ。
「その方に勝てるというのか」
「勝つ」
しかしカミュは言った。
「我等全員、そして教皇もおられればか」
「黄金聖闘士全員だけではないのか」
「そうだ、教皇もおられる」
シオンもまた入っていた。彼等の中にだ。
「我等全ての力でだ。アーレスを倒す」
「出来ると思うか」
それを聞いてもレダの余裕は変わらない。
「人が神を。しかも戦いの神を倒せるなど」
「この世の為だ。してみせる」
ここでも目を閉じて言うカミュだった。
「何があろうともな」
「貴様等はあくまでそう言うのだな」
「それがどうかしたのか」
「味方であったならばな」
レダはこんなことも言った。
「そうであったならばだ」
「私がか」
「貴様等がだ」
黄金聖闘士全てがだというのである。
「味方であったならばな」
「そうだな」
カミュもレダのその言葉に応えたのだった。
「私もそう思う」
「貴様もか」
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