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おぢばにおかえり
第三十八話 夏になってその五

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「持ってるけれどね、今も」
「スカート自体は」
「それでもなのね」
「穿かないから」
「そう言われたのね」
「ズボン動きやすいから」
 とにかくひのきしんには一番いいからです。
「いつも穿いてたら言われたわ」
「というか」
 自宅から通っていてお家が教会や布教所でない娘が言うにはです。
「天理教の女の人って皆ズボンで驚いてるわよ」
「おぢばに帰ってきたら」
「ええ、何でってね。最初思ったわ」
 こう言いました。
「ズボンばかりって」
「そうした事情があるけれど」
 私はその娘にもお話しました。
「やっぱり違和感あるのね」
「だって本当に女の人でも」
 おぢばにいると、というのです。
「ズボンの人ばかりだから」
「独特の風景っていうのね」
「スカートの人って一割?」
 それ位だというのです。
「学生さんは別にして」
「あっ、そういえばね」
「半被着てる人でスカートの人ってね」
「殆どいないわね」
「おぢばだと特にね」
 教会の娘達、私達もそうですがここでお話をしました。
「そうよね」
「殆どセットよね、半被とズボンって」
「ひのきしんするから」
「それこそすぐに」
「そうでしょ、半被にも驚いたけれど」
 上のこの服と一緒にというのです。
「このことにも驚いたわ」
「ズボンね」
 私はここで自分の足を見ました、膝まで完全にスカートで覆われています。
「そういえば今も制服以外では大抵ズボンね」
「そうよね、寮でも」
「大抵ズボンよね」
「制服のままの時もあるけれど」
「基本は」
「その感覚で学校にいて」
 ズボンを穿いている時そのままで、です。
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