第三十六話 永遠にその四
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「やっぱり恐竜はいいよな」
「ロマンがあるわよね」
「太古のロマンってやつがな」
「そうよね、私もね」
「恐竜嫌いじゃないだろ」
「ええ、実はね」
その通りとだ、優花は龍馬に答えた。
「好きな方よ」
「恐竜が嫌いな奴ってな」
「あまりいないわよね」
「特に子供はな」
見れば中には親子連れがかなり多い、小さな男の子があちこちではしゃいでいる。
「好きなんだよな」
「男の子のね」
「ティラノサウルスとかな」
目の前の暴君竜の紹介を見つつの言葉だ。
「実際に見たいとか思うよな」
「確かにね」
「実際にいたら大変だけれどな」
この言葉は笑って言った。
「これだけ大きいのがいたら」
「襲われてね」
「人間なんか一口だな」
「海でもそうよね」
「ああ、こんなのいたんだからな」
今度はエラスモサウルスを見る、首が異常に長い。その先にある小さな頭には鋭い歯が無数にあり実に禍々しい。それでいて格好いい。
「海に出たら」
「恐竜の御飯ね」
「亀だってな」
今度はアーケロンを見る、四メートルもある巨大なウミガメだ。
「オオウミガメの何倍だ?」
「ええと、タイマイで二メートル?」
「じゃあ四倍か」
「それだけね」
「こっちも相当に大きいな」
「そうよね」
「他にもな」
今度はアロサウルスを見る、ティラノサウルス程ではないがやはり大型で若し人間と同じ世界にいたらと思うだけで恐ろしい恐竜だ。
「こういうのいてな」
「トリケラトプスも」
優花はこの恐竜を見ている、三本の角が鋭い。
「凄いわね」
「刺されたら終わりだな」
「突進されたらジープでもね」
「吹き飛ぶな」
「戦車位じゃないと」
とても耐えられそうにないというのだ、尚サイもジープを体当たりで吹き飛ばすことがある。
「無理よね」
「そうだな、空もな」
龍馬はプテラノドンも見た、頭の形が独特な翼竜だ。
「プテラノドンって七メートルもあったんだな」
「鷲よりずっと大きいわ」
「大昔オーストラリアには五メートル位の鳥いたらしいけれどな」
翼を広げてだ、モアを捕獲して食物としていたという。
「もっと大きいな」
「ええ、二メートルも」
「こんなのが空から来たら」
「もう終わりよ」
「そうだな、何かアフリカとか恐竜の話多いみたいだけれど」
「こういうのに襲われたら」
優花もプテラノドンを見て言う、やはり禍々しさと恐ろしさがあるがそれ以上に格好良さと太古のロマンを漂わせている。
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