IFエンド 「レヴィ・ラッセル」
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ただボクらの雰囲気が元に戻ってないとショウは察したのか、抱きかかえていたライカをボクに渡してきた。
ケンカしたばかりでライカは体を震わせる。それを見たボクは大人げなかった反省し、優しくライカを抱きかかえると頭を撫でながら口を開いた。
「ごめんねライカ、ライカは何か壊したりしたわけじゃないのに怒り過ぎちゃったね。ボクが悪かったよ、本当にごめんね」
「ママ……ううん、ライカも悪い子だった。ごめんなさい」
「やれやれ……まだ遊んでないのに疲れた気がする」
「子供が何言ってるんだ。疲れて寝るくらいちゃんと遊べ」
ショウはそう言ってアオバの頭を撫でる。それに対してアオバはブツブツと何か言ってるみたいだけど、抵抗しないあたり嫌がってるわけじゃないようだ。顔が少し赤くなってるところを見ると嬉しいけど恥ずかしくもあるのだろう。
入場券を買ったボク達は仲良く遊園地の中へと入る。ボクやショウが子供の頃から続いている遊園地なだけに何度か改装されたようで前はなかったアトラクションもあるようだ。
「ライカ、アトラクションがいっぱいだね。どれから乗ろっか!」
「えーとね、全部!」
「父さん、ライカはともかく母さんは落ち着かせるべきなんじゃないの? あのままだと本当に全部乗ろうとするよ」
「お前の母さんはライカよりはるかに元気だからな。疲れて眠ったりしないさ。仲直りしたばかりなんだから好きにさせておけ」
ショウとアオバが何か話してるみたいだけど何を話してるんだろう? あれかな、アオバもああ見えて遊園地を楽しみたいとか。うん、そうだよね。子供は遊ぶことは仕事だし、いつもお兄ちゃんとしてしっかりしてるアオバだって遊ばないと。
「あ……ママ、ライカこれに乗りたい!」
「おっ、コーヒーカップ。さすがはライカ、ボクの娘だけあって良いもの選ぶね!」
「……父さん、嫌な未来しか見えないんだけど」
「いいかアオバ、時として嫌な未来だろうと立ち向かう必要があるんだ」
「ふたりとも何やってるの、置いて行くよ」
何だかアオバの様子がおかしいけど……ボクの記憶が正しければ別に体調は悪そうにしてなかったよね。まだ遊んでもないし、移動で疲れちゃったのかな。
「アオバ、どうかした?」
「いや別に……何でもないよ。慣れないところだから落ち着かないだけ」
「本当?」
「うん……大丈夫だから。父さん……達も居るし」
「そっか。でも何かあったらすぐに言うんだよ」
アオバが頷くのを見たボクはライカを連れて目的のアトラクションに向かって歩いていく。
休日だけあって多くの家族連れやカップルが訪れているけど、手を繋いでいればライカ達が迷子になることはないはず。ライカにはボクが付いているし、アオバにはショウが付いてるから大丈夫だよね。
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