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エターナルユースの妖精王
マスター現る!
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く床を蹴った。

「お嬢さん、よかったらパンツを貸して…」
「誰か貸すか今すぐコイツの視界から消えろド変態!!!!」
「ごぶっ!!?」

一息だった。僅かな呼吸も挟まずに、殺気すら滲ませた声で怒号を上げる。その声が連れのものである事に気づいたルーシィが顔を向けたその時には、弾丸の如き速度で駆けたニアの渾身の飛び蹴りがグレイを派手に吹き飛ばしていた。
ふーっと威嚇するように細く鋭く息を吐いて、先程までグレイがいた位置に着地する。だがそれだけでは気が治まらないのか、その顔はまだ怒りに染まっている。普段は大抵の事をさらりと流す彼らしくない。

「痛え……誰だお前、新入りか?」

起き上がると同時に近くにあったタオルを腰に巻いたグレイがニアを見て問うが、怒りに震える彼はその問いが耳に入って来なかったらしい。

「このド変態、薄汚いもの人前に晒しやがって……嫁入り前の女の前で何を…!!コイツに何かあったらどうする、オレはコイツの身を預かってる立場だというのに…オレがいながらこんなド変態を近づかせるとは……!!!服を着ろ常識だろうそのくらい!!」
「誰だか知らねえけどド変態って連呼すんな!!つかテメエ何だ、そこのお嬢さんの保護者か!!」
「ド変態だろうどう見ても!!あとオレは保護者じゃない護衛だ!!!」
「ちょ、ニア…落ち着きましょ、ね?」
「何を言い出すかと思えば…今オレはこの場の誰より落ち着いている。今ならあのド変態を綺麗に真っ二つに出来る自信があるぞ、腕が鳴るな」
「絶対落ち着いてないでしょそれ!!」
「それで落ち着いてる訳ねーだろ!!?」

どうやらニアは感情が一定値を超えて爆発すると壊れるらしい。これは長い付き合いのルーシィも知らなかった。きりっと表情を引き締め頷いてみせた彼に、ルーシィだけでなくグレイまでツッコミを入れる。

「ここまで殴りたくなる奴はアイツに次いで二人目だ…絶対殴る、そして服を着てから出直して来い!!!」
「何だコイツ面倒くせえ!!」

が、スイッチの入ってしまったニアは止まらない。何やら呟いたかと思えば、殴ると言いながらまた床を思い切り蹴って飛び蹴りをかましにかかる。真正面からの二回目は流石に避けられてしまった。明らかに絡まれてしまったグレイが叫ぶが、その声は喧騒に紛れてしまう。

「やれやれ……デリカシーのない奴は困るよね。ところで君、どこのモデル?」
「何コレ!!?」

一人取り残されたルーシィを、どこからか現れた現れたロキがお姫様抱っこで口説き出す。が、そのすぐ傍には今、とっても面倒なスイッチが入ってしまったアイツがいる訳で。

「そうか、お前は三人目か」
「え、ぐびゅっ!?」
「きゃっ」

普段のクールさは絶賛崩壊中、面倒スイッチオン、更に普段は徹底的に隠し
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