暁 〜小説投稿サイト〜
エターナルユースの妖精王
マスター現る!
[19/19]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
カンだ――――!!!!」

着地と同時に振り下ろされた拳をナツはバック転で避ける。その拍子に吹き飛ばされかけたハッピーが叫んだ。

「ウホッ!!」
「ぬおっ」

が、バルカンはそれ以上攻撃を仕掛けては来なかった。それどころか地面を蹴ってナツを飛び越え、雪に足を取られたナツには目もくれず、一直線に駆けて行く。

「!?」
「人間の女だ♪」

バルカンの向かう先。そこにいるのは、足を取られながらも敵を視界から外すまいと振り返ったナツ――――を距離を置いて見ていたルーシィだった。
ホロロギウムを掴むバルカンの顔が、扉が透明なせいで真正面からはっきりと見えてしまう。だらしなく緩んだ頬、扉がなければ息がかかるであろう至近距離。伸びた舌の先が扉に触れ、そこから唾液が垂れている。

「うほほ――――♪」
「キャ――――――!!!」

ホロロギウムごとバルカンに担がれたルーシィの悲鳴が響く。

「おお、喋れんのか」

その後ろ姿を見送りながら、ナツは掌に拳を打ち付ける。

「『てか助けなさいよォオオオ!!!!』……と申しております」

ホロロギウムが代弁するルーシィの叫びが、雪山に木霊した。







そして。

「何だろう…マカオ以前に助ける必要のある奴が出来た気がする……」

靴とズボンの裾を濡らさないよう僅かに浮いたニアが、雪山のどこかで呟いていた。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ