マスター現る!
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に加担した事になってしまうのだろう。
マカロフは更に書類をめくりながら、長くなると判断したのか名前だけを読んでいく。
「アルザック、レビィ、クロフ、リーダス、ウォーレン、ビスカ…etc…」
「オレもか…」
次々に名前を呼ばれて行く面々が、気まずそうに目を逸らす。
ポンチョ姿のアルザック、青い髪にカチューシャが特徴的なレビィ、先程ナツに蹴り飛ばされていたジャージ姿の出っ歯クロフ、とんがり帽子に丸い体のリーダス、どうやら問題を起こした自覚がないらしいタラコ唇のウォーレン、タイトなワンピースを纏うビスカ。
こんなにいるのか、とニアは溜息を吐く。よくこれで仕事が入ってくるものだ。
「貴様等ァ…ワシは評議員に怒られてばかりじゃぞぉ……」
怒りを抑え込むように俯き、ぷるぷると体が震える。少しスイッチが入れば感情が爆発してしまいそうな、そんな姿だった。
つい先ほどまであれほど騒がしかったギルドが、一気に静まり返る。誰もが口を閉ざし、気まずそうに俯いたり目を逸らしたり。何も言われていないルーシィでさえぞくっと寒気が走り、直接指摘された訳でもないニアもそっと視線を下げた。
「だが…」
この空気の中、マカロフが言う。
「評議員などクソくらえじゃ」
「え?」
想像していたのとは、真逆の一言を。
左手に持っていた書類が一瞬で炎に包まれる。それをポイと放ると、フリスビーを投げられた犬のようにナツが銜えた。
「よいか…理を超える力は、全て理の仲より生まれる」
そして語り出す。
それは決して説教ではなかった。何をしているんだと怒鳴る訳でもない。
「魔法は奇跡の力なんかではない」
ハッピーは机に座り、ロキが傍らの女性を抱き寄せる。
「我々の内にある“気”の流れと、自然界に流れる“気”の波長が合わさり、初めて具現化されるのじゃ」
ナツが炎を頬張り、相変わらず服を着ていないグレイが腕を組む。カナが目を落とし、エルフマンが真剣な顔でマカロフの話を聞いている。
「それは精神力と集中力を使う。いや、己が魂全てを注ぎ込む事が魔法なのじゃ」
ルーシィも、自然と聞き入っていた。
その隣でニアが何かを思い出すように目を伏せて、何かを呟くように唇が動いたのには気づかない。
「上から覗いてる目ン玉気にしてたら魔道は進めん。評議員のバカ共を怖れるな」
にん、と歯を見せてマカロフが笑う。
「自分の信じた道を進めェい!!!!それが妖精の尻尾の魔導士じゃ!!!!」
『オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』
空気を震わせて、大歓声が響く。拳を突き上げ、誰も彼もが笑顔で。
ナツとハッピーが声を上げて笑い、グレイとエルフマンが笑い
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