暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
七つの大罪を統べる者〜Beelzebub〜
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魔になるから・・・!」
「・・・ごめんな、ルシル君! 力になれんくって!」
「ごめんなさいです!」
私はヴィヴィオを抱き上げたまま壊れた扉の先を目指す。はやてちゃんはリインを肩に乗せてから戦闘機人を背負って、私の先を行く。出口を潜って走り出そうとした時、「え・・!?」私たちの間を何かが通り過ぎた。足を止めて、ゆっくりと後ろを振り返る。
「あぁ、申し訳ありませんお嬢様方。手加減が難しかったもので・・・」
さっきみたいに綺麗な一礼で謝ってくるベルゼブブ。その周囲にある5つの光球が、ベルゼブブを中心として回っていた。けどルシル君の姿が無かった。視線を玉座の間に佇むベルゼブブから、私たちが向かおうとしていた扉の奥、通路の方へと向き直した。通路の先に居たのは、四肢をついて起き上がろうとしていたルシル君だった。
「「ルシル君!」」
「ルシルパパ・・・!」
ルシル君は側に転がってた“グングニル”を手に取って、杖にように突いて立ち上がろうとしたけど、ガクッとまた崩れ落ちた。私たちは急いでルシル君の側に駆け寄った。
†††Sideなのは⇒ルシリオン†††
なのは達を送り出し、そしていざベルゼブブへと攻撃を加えようとしたところで、「やられた・・・?」いきなりの高速移動で不意を突かれ、気が付けば通路まで吹き飛ばされた。“グングニル”を支えに知恵何とか立ち上がって、玉座の間へと――ベルゼブブへと視線を戻す。
「・・・問題ない。さぁ、みんなは早く行くんだ」
俺の元へと駆け寄って来てくれていた、心配そうな顔のなのは達と目が合う。口に中にある血を吐き捨てる。女の子の見せるようなものじゃないが、今はそんなことを言ってはいられない。はやてが「でも!」そう納得できないと声を荒げる。
「この戦いは私たちの問題だ。みんなを巻き込むわけにはいかない。それに・・・君たちの魔法は、
許されざる暴食
(
アレ
)
には通用しない」
さっきのように魔法に神秘を乗せたような術式を展開してやればいいが、あれではリスクが大きすぎる。攻撃の手段があっても、防御の手段がなのは達にはない。それはつまりベルゼブブの攻撃を常に防がないといけなくなる上、ちょっとしたミスでなのは達を死なせるようなことになってしまうということだ。そうなれば自殺ものだ。かつてのように守れなくて、心が壊れ、その果てに私はまた・・・。
「ルシルパパ・・・」
なのはに抱き上げられているヴィヴィオが手を伸ばしてくる。玉座の間に向かう足を止め、そっと優しく握る。
「小さいな・・・」
誰にも聞こえないように静かに呟く。この子たちの未来を奪わせないためにも負けるわけにはいかない。
「大丈夫だ、行ってくれ・・・」
それだけ告げて、振り返らずに玉座の間へ
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