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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
743部分:第十二話 炎の魔神その四

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第十二話 炎の魔神その四

「私の技もまたまだあるのだ」
「貴様の最大の技か」
「そう、それがあるのだ」
 まさにその通りだというのであった。
「私にはある」
「お互いあるのか」
「貴様を倒すにはそれしかない」
 カミュは今確かに言い切った。
「それしかだ」
「私もまた同じだ」
「このカミュを倒すにはか」
「そうだ、その技しかない」
 最早、であった。それしかなかったのだった。
「だからこそだ。いいな」
「でははじめるとするか」
 カミュはレダを見据えていた。レダもまた同じだった。
「最後の闘いだな」
「少なくともこの時代ではそうなる」
 未来の話も混ざった。過去と現在だけではなくなってもいた。
「これが最後だ」
「そうだな。だが言っておく」
「何だ?一体」
「勝つのは私だ」
 カミュはその全身に冷気をまといながら言ってみせた。
「この時代でもだ。勝つのは私だ」
「言うものだな。だが」
「だが、か」
「それは私の言葉だ」
 レダはにこりともせずカミュの言葉をそのまま返してみせたのだった。
 そしてだ。その黒い炎を己の足元にも出してだ。そうして言うのだった。
「私は負けはしない、今はだ」
「何があろうともか」
「そうだ、負けはしない」
 また言ってみせた。
「それを言っておく」
「聞きはした」
 カミュはレダの今の言葉にもクールに返した。
「だが。それが実現することはない」
「そう言えるか」
「言える、何故ならだ」
「貴様が勝つからだな」
「貴様と同じ考えだ」
 次第に小宇宙を大きくさせながらの言葉だった。
「これはだ」
「話は聞いた。この言葉そのまま使わせてもらおう」
 そしてレダもまた。その小宇宙を湧き起こさせながら話した。
「いいな、それで」
「構わん。ではベリアルよ」
「うむ、アクエリアスよ」
「死合おう」
 言葉が氷になった。
「いいな」
「無論だ」
 そして彼の言葉も炎になっていた。
「我が最大の技、受けるがいい」
「それではな。私もまた」
 二人の闘いはいよいよ最大の正念場になろうとしていた。その小宇宙がさらに沸き起こってである。それぞれの技が放たれようとしていた。


第百十二話   完


                  2010・4・12

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