奇妙な中身
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「な、なんだこれは……?」
箱から出てきたのは布で出来た巨大な魚のような物が数匹と、カラフルな布の帯を束ねたような物、羽根の付いた車輪、そして……。
「おい、武器があったぞ!」
「何ぃ!?」
刀や弓といった武器の類いと、立派な鎧兜。しかし深海棲艦は刀や弓は艦娘の中にも使う者がいるので見たことがありましたが、鎧兜は初めて見ます。
「こっちの武器は解るが、こっちの人のような形をしたこれは何だろうね?」
ヲ級が座した状態で仕舞われていた兜の頭を、杖でコンコンと叩きます。すると兜とセットの面頬が転げ落ち、ゴロゴロと床を転がります。
「ヲヲヲヲヲヲヲ!?」
「く、首が取れた!」
「うわあああ!こ、これはマズイんじゃないか!?」
3人は大慌て。しかし側で見ていたリ級が近寄ってきて、兜を戻しました。
「何やってるんですかお三方。これは人形です、生きてたり動いたりはしませんよ。」
「「「えっ?」」」
「良いですか、恐らくこれは何かの飾り付けです。人間達は何かを願ったり祝う時にはそれに相応しい飾りをして、それを楽しむんです。」
「リ級よ、お前くわしいな?」
「まぁ、私もそれなりに姫様達と艦娘達と交戦してますし。中には戦わずに穏便に済ませようとする艦隊もいるんですよ。」
「そ、そうなのか?」
それまで艦娘は敵意剥き出しで攻撃してくる者達ばかりだと思っていたらしいル級。
「そんな時に地上の暮らしの話などを聞くんですよ。その時にそんな話をしてました。」
興味津々でその話を聞く3人。地上での暮らしに興味のない深海棲艦はほとんどいないだろう。
「……それで、これは何に使うんだ?」
「さぁ?」
リ級のあっさりとした解答に盛大にずっこける3人。
「とりあえず、箱の中には他に入って無いんですか?」
リ級にそう促されて箱の中を再び漁ると、怪しげな草の束と絵の書いてある紙が出てきた。
「あ、この紙にこの魚みたいなのの飾り方が書いてあるよ?
」
「こっちの草は何か変な臭いがする……」
草を束ねている紐には「菖蒲」と書かれた札が付いているが、当然読める筈もなく。
「とりあえず、この魚の化け物みたいなのはその絵の通りに飾ってみるか。その草は……とりあえず放っておけ。」
ル級の指示で飾りつけを始める深海棲艦達。長くて丈夫な棒を地面に突き刺し、そのてっぺんに車輪を取り付ける。そして帯の束と魚の化け物のような物を棒に結びつけてやれば完成なのだが……。
「な、なんだろうな…。」
「なんだか……。」
「切ない気分になってきたぞ……。」
飾り付けたはいいものの、魚はぐ
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