第81話 似た者同士は案外中身も似た者同士
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私が信用できないって言うのぉ!?」
「今までの行いを顧みてみろよ。お前信用に足る生き方してきたか?」
戦闘の空気が収まり、すっかり緊張が解れた後、銀時となのはの二人はその場で毎度おなじみとも言えるじゃれ合いを始めだした。
これも儀理とは言え親子としての繋がりがあるからこそ見れる光景だったりする。
「さてと、んじゃ帰るか。っと、その前にさっき一緒に乗って来た鉄子を探さねぇとなぁ。あいつ何処行ったんだ?」
「案外その人もお父さんの事探してたりしてね」
「まっさかぁ〜」
二人してそんな他愛ない会話を織り交ぜていたそんな矢先の事だった。
こちらに向かってくる足音が聞こえる。数からして数人、正確な人数は把握できないが少なくとも二人や三人ではない。恐らくもっといる。
「んだぁ。敵さんのお替りならもう沢山だぜ。生憎こっちはお腹いっぱいで勘定待ちなんだからよぉ」
「因みにツケは利かないからそのつもりでね」
「ボケのつもりか?」
そんな感じの会話をしながらも二人して身構えだした。もし出て来るのが本当に敵ならば見敵必殺を心掛けねばならない。何しろ銀時もなのはも桜月との戦いで消耗しきってしまっていたのだから。
「あれ、銀さん! それに、なのはちゃんも!?」
「新八、それに神楽!」
だが、現れたのは余りにも見知った面子だった。銀時と同じように船内に潜り込んだ新八と神楽、それに道中で出会った鉄子と何時の間にか合流していた桂の姿も其処にはあった。
「ってかヅラ。お前まで居たのかよ」
「ヅラじゃない、桂だ! まぁ、色々あってな。今はこうして脱出する算段を考えている真っ最中なのだ。銀時、何か明案はないか?」
「てめぇを高杉に差し出してその隙にとんずらするって言う明案ならあるぜ。実行するか?」
「出来るかそんな愚策!!」
冗談のつもりだったのだろうが桂は割と本気で怒り出した。案外ピュアな青年のようだ。
「ところで銀さん。その腕どうしたんですか? あと、なのはちゃんは髪短くなってない?」
新八が二人の変化を聞いてきた。まぁ、なのはの場合は髪が短くなっただけなのでさしたる問題はないだろうが、問題は銀時の方だ。何しろ腕が片方なくなってしまっているのだから。
そんな新八の問いに、二人は至極簡潔に述べた。
「切られた」と―――
「切られたって・・・大丈夫なんですか!? 今すぐ治療しないと大変な事になるんじゃ―――」
「大丈夫だよ。今はシリアスパートだけどさ。ギャグパートに戻ればきっと完治してる筈だから問題ねぇって」
「メタすぎるだろその言い方ぁ!!」
最早お馴染みとまで言えるボケとツッコミだった。
「すまないが、何時までもここでのんびりとはしていられそうにないぞ」
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