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駄目親父としっかり娘の珍道中
第81話 似た者同士は案外中身も似た者同士
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駆けだす両者。またかく乱戦法で来るつもりか、だったら今度は纏めて叩き潰すだけだ。
 最初に巨大化した桜月を横凪に振う。それに対し、二人は同じタイミングでジャンプして回避する。
 其処へ今度は大量のコードを伸ばす。それらに対しても二人は同じ戦法で回避していく。両者とも光弾を発射してコードを減らし、残ったコード達は両手で掴んで引き千切る。全く同じ、二人とも同じ戦い方をして桜月を翻弄していく。
 それでも、絶えず桜月はコードを放った。結果は見えていると言うのに桜月は馬鹿の一つ覚えとも言えるような同じ戦法を繰り返し続けた。
 無論、そんな戦い方でこの二人を倒せる筈もなく、二人は全ての攻撃を捌き切り、桜月の両脇へと降り立つ。

「脇腹が―――」
「がら空きじゃぁぁぁ!!」

 怒号と共に両側から二人の渾身のニーキックが突き刺さる。顔に激痛の色が映る。

「ぐ・・・はぁっ!!」

 ついに、桜月の膝が崩れ落ちた。苦痛の声を漏らし、力なく地に付く両の膝。二人のドS少女のコンビネーションの前に紅き妖刀もとうとう根負けしてしまったようだ。

「いえぇい、大勝利!!」
「はい、勝利ですね」

 満面の笑みを浮かべ、勝利を確信したなのはとシュテルが互いの手を叩き合って喜び会う。ハイタッチと言う奴だ。
 そのハイタッチをした直後だった。突如としてシュテルの体が眩い光に包まれて行き、無数の光の粒子へと姿を変えてしまったのだ。
 その光景を前にしてなのはは仰天した。

「心配いりませんよ。元々一つだったのが二つになったのです。なのでそれがまた一つに戻るだけの事です」
「そ、そうなんだ。でも、それでシュテルが消えちゃうなんてことはない?」
「ご心配なく。私は貴方、貴女は私。私たちは一つの体を共有する存在なのです。ただ、少し疲れましたので暫くの間寝させて貰います」

 どうやら初戦闘の緊張故か相当疲労してしまったのだろう。光の粒子となったシュテルはなのはの元へと集まり、やがて光はなのはの体の中へと消えて行った。
 不思議な光景が終わった後には、なのはが一人だけその場に残っている光景が見えていた。

「終わった・・・のか?」
「うん、多分・・・だけど」

 いまいち歯切れが悪い受け答えだった。まぁ、子供故仕方なしと、そう思っておくことにした。

「にしてもなぁ、俺のこの腕どうすんだよ。これじゃこれから先不便で仕方ないぜぇ」

 今更だが銀時の右腕は桜月の手により切り落とされてしまっていた。幸い出血は止まってはいるもののこのまま隻腕で過ごすのは不便極まりない。

「大丈夫だよ。きっとシュテルが治し方知ってるだろうし」
「本当かよ? お前から生まれた奴だからいまいち信用が持てねぇんだよなぁ」
「ひっどぉい、何それ? 
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