第81話 似た者同士は案外中身も似た者同士
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づいた時には既に遅しだった。自身に向かい大量の光弾が襲い掛かってくる。またそれらを切り払う作業が始まる。
そう思いだした時、腕に違和感を感じた。何か強い力で腕を押さえつけられているかのような感覚だった。
見れば、其処には刀を持っている方の手を別のなのはが両手で抱えるようにして抑え込んでいた。
「私と殴り合いがしたいの? おじちゃん」
にんまりと、まるで子供が大人におもちゃかおかしを強請るような猫なで声で尋ねる。だが、その声の裏にある真意を知った時、桜月は青ざめた。
その刹那、なのはの腕の中で桜月の腕が歪な形に折り曲げられた。
バキン! 木材を叩き割ったかの様な激しい音と共に桜月の腕が折れ曲がる。
このガキ、腕の骨を真っ二つにへしおりやがった。
折られた腕を伝い激しい痛みが伝わる。だが、その直後として今度は大量の光弾が体中に当る痛みが伝わる。
「があぁぁっ!!!」
痛みに苦痛の叫びが木霊する。折られた腕と体中に突き刺さる光弾の圧力に桜月は膝をついた。
そんな桜月を前にして二人のなのはこと、なのはとシュテルは勝ち誇ったかのように見下ろしていた。
「同情はしませんよ。貴方はお父様の腕を切り捨てた。それに比べればまだましな方です」
「私の大事なリボンを盗んだ分と、お父さんを虐めた分は私たちがきっちり200倍位にして返してあげるからせいぜい楽しみにしててよね」
外見は同じなのに全く言葉遣いが違う。ただ似てる所と言えば、二人とも良い性格をしていると言う所だろう。
「怖ぇ……今後あいつらを怒らせるの止めとこうかなぁ」
二人のえげつない戦いを目の当たりにして、銀時は心底背筋が凍り付く感覚を覚えた。今まででも充分手に負えなかったなのはが今度は二人になった。それだけでも恐ろしいのに二人とも根っこはかなりのドSなのだ。
まぁ、銀時も言ってしまえばS寄りなのだが、この二人のSっぷりはそれの比じゃない。下手にこの二人を怒らせたら地獄すら生ぬるい責め苦が訪れる事だろう。
「この・・・ガキ共がぁぁぁぁ!」
桜月が怒号を張り上げ。折れた腕を無理やりコードを伝って補強して、振い上げる。最早それは腕とは呼べないかけ離れた代物となっていた。まるで化け物の腕だ。無数のコードがとぐろを巻き、螺旋を描くように腕の回りに絡みつき新たな腕を形成している。
その大きさに比例するかの様に、刀の方も大きさと厚みを増していく。それはまるで刀と言うよりは鉈に似たスケールを放っていた。
しかし、それを前にしてもなのはとシュテルは全く動じていない。寧ろ返って闘争心を掻き立てられたかの様な顔をしていた。
「良い、やるよ」
「分かりました」
互いに頷き合う。その直後、一直線に桜月へ向かい
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