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駄目親父としっかり娘の珍道中
第81話 似た者同士は案外中身も似た者同士
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うよ」
「惜しいで御座るな。それ程の凄腕ならば、一手手合わせ願いたかったので御座るが―――」
「死ぬ覚悟があるんだったら止めやしねぇよ」
「何を今更―――」

 高杉の脅し文句に万斉は嘲笑して見せた。

「貴殿と歩みを共にした時から、この命など当に捨てたような物。今更死ぬ事など恐れぬ。ましてや、強敵との闘いで死ねるとなれば尚更本望で御座るよ」
「頼もしいこった」

 今度は高杉が嘲笑した。それからしばらくの間、二人して嘲笑し合うだけの時間が数分かの間続いた。その数分をこの二人は本当に数分と思うだろうか。それとも数時間か、はたまた数秒なのか。それは当人にしか分からない。

「しかし、紅桜を全て壊された事は痛手で御座ったな。もうすぐ晋介殿の目的も達成されたで御座ろうに」
「ぶっ壊されちまったもんを嘆いた所で仕方ねぇさ。その分の帳尻は奴らにして貰えば良い事だ」
「連中も知ればきっと紅桜を壊した事を後悔する筈で御座ろうな。何せ、紅桜を作った本当の目的が―――」
 
 言葉を綴りながら、万斉は口元を持ち上げた。それと同時に高杉の口元も笑みに歪む。






     ***




 なのはとシュテルの連携に桜月はすっかりきりきり舞いにさせられていた。自身の攻撃は全て薄皮一枚でかわされ、反撃に拳と大量の光弾が飛んでくる。それを捌いた後にどうにかねじ込む形で攻撃をするのが現状で手一杯だった。
 体から無数のコードを伸ばしても結果は同じ事。全て拘束魔法(バインド)で一括りにされた後に纏めて引き千切られてしまう。ばらけさせて放っても同じ事だった。どの道引き千切られて終わるだけでエネルギーの無駄遣いにしかならない。
 何よりも、今戦っている両者の姿が余りにも似すぎている為にどちらがどちらなのか把握するのに苦労する事もまた苦戦の原因にあった。
 どちらも同じ顔をして同じ色の服を身に纏っている。違うとすれば戦い方だけだ。
 なのはは至近距離からの打撃。シュテルは中距離から光弾を放つ。しかし、この二人はそれらを切り替えながら戦っている。最早どちらがどちらなのか見分けるのが出来なくなり出していた。

「隙ありぃ!!」

 声を張り上げ、なのはと思わしき少女の鉄拳が鳩尾に響く。体がくの字に曲がり、顔が持ち上がる。だが、これで分かった。こいつは接近戦が得意な方だ。ならば離れて攻撃すれば・・・

「こいつと殴り合いなんざ御免だ!」

 ひと跳びでそいつから距離を取る。だが、それに対し殴ったなのはと思わしき少女は突如笑みを浮かべた。まさか・・・

「わざわざ私の距離に飛んでいただき、感謝しますよ」

 そう言って、突如として彼女の周囲から無数の光弾が姿を現した。
 やられた、こいつは別の方だ!
 気
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