第五章
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「それでやっていきましょう」
「ではね」
「それでいいですね」
「いいと思うよ、ではね」
顧問も言う、そしてだった。
野党になった彼等は鱒弐ではなく政治を見据えて動きを再開した、鱒弐は新党を立ち上げて難を逃れたつもりだったが。
新党を立ち上げて二年半程経った時にふとだ、ネットでこんなことが言われだした。
「あいつ離婚二回もしてるんだな」
「愛人も子供どんどん作ってな」
「それ前から言われてたぞ」
「女癖は悪いぞ」
このことが言われだしたのだ、ネットでも。
「しかもケチらしいぞ」
「ケチってあいつ別荘持ってるぞ」
「本も売れてテレビにもいつも出てるだろ」
「相当な収入あるだろ」
「それで何でケチなんだよ」
「自分の金は出さないらしい」
そうした吝嗇だと説明がきた。
「前の奥さん達や愛人の人達との間の子供の養育費をケチったり奥さん達への慰謝料もな」
「ケチるのか」
「そうなんだな」
「そうらしいぞ、随分値切ったりするらしい」
「おいおい、テレビじゃいつも毅然としたこと言ってるのにか」
「ケチな素振りないのにな」
「実際は違うのか」
そのことが知られてきた、これまではあくまで彼を個人的に知っている面々だけであったがそうなったのだ。
「そんな奴か」
「慰謝料とか養育費出せよ」
「それ位はするものだろ」
「何か嫌な奴だな」
「野党になった途端に逃げたしな」
「おかしな奴か?」
ネット上で疑念が持たれだしていた、それでだ。
鱒弐の素行がチェックされだした、すると。
「議員になってから出張多くないか?」
「ホテルにいつも泊まってるけれどな」
「あそこそんなに高いホテルじゃないぞ」
「それなのに倍以上高く政治資金から出させてるぞ」
「ホテル以外にもな」
その政治資金の使い方が検証されだした。
「天麩羅屋だの車だのな」
「党の公用車で私用に行ってないか?」
「あれこれ出張に行ってな」
「スイートに泊まったりして」
「大名行列みたいな感じだな」
「一介の議員の外国視察でもないぞ」
「こんなの首相でもしないぞ」
それこそというのだ。
「何だこいつの金の使い方」
「政治資金とか国民の税金でここまで使うか」
「しかも政策もな」
「福祉とか言いながら福祉してないぞ」
「外国人学校って何だよ」
「あの国の外国人学校は生徒数不足だぞ」
「それで増やすなんて無駄だろ」
福祉重点の政策は嘘ではないかというのだ。
「公私混同は駄目だって言いながらな」
「思いきり自分の為に税金使ってるぞ」
「こいつどういう奴だよ」
「福祉も嘘だしな」
「とんでもない奴だぞ」
「ああ、こいつは信用出来ないぞ」
ネットで言われだしてだ、それでだった。
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