第六章
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「あの人の宣伝は」
「老人票ですね、狙いは」
「もう組合票はありますし」
「それならですね」
「老人票も手に入れれば安泰」
「元々地元と関係ない人ですから」
支持基盤がそうなのだ、辻本の場合は。
「それでもいけるんですよ」
「あの人の政党自体がそうですし」
「組合票が大きいですから」
「それで当選している議員も多いですからね」
「地方議員も」
「それで地元重視を批判されても」
それこそというのだ。
「支持基盤が違うからね」
「仕方ないですね」
「どうしてもそこは」
「仕方ないですね」
「そこをあえて言うのは」
「ずるいですね」
「卑怯ですよ」
スタッフ達もそれぞれカップ麺や野菜ジュースを飲んでいる、忙しいので簡単なものを食べているが栄養も忘れていないという組み合わせだ。
「それは」
「まあこの人はよくこうしたこと言いますけれど」
「自分が正義だって言い方で」
「相手を攻撃しますからね」
「先生にもそうですし」
「まあこの人はこの人だよ」
これが西岡の結論だった。
「けれどこっちはね」
「こうしていくしかないですから」
「だからですね」
「地元で足場を固めて」
「それで選挙演説をしてですね」
「握手をして回って」
こうしたやり方を挙げていくのだった。
「選挙カーであちこち走りましょう」
「これまで通りですね」
「そうしていきましょう」
「地道と言えば地道に」
「昔ながらのやり方でも」
「これで行きましょう」
「そうしよう、当然ね」
こうも言った岡島だった。
「農村部も行って」
「はい、先生は農業政策も提言されていますし」
「そちらもですね」
「回りましょう」
「是非」
「そちらも回らないとね」
どうしてもというのだ。
「支持が集まらないからね」
「農村票も大きいですからね」
「農家は一家でやっていますから」
「支持を得られると家族単位です」
「家族単位の票が入ります」
「そもそも農業はね」
この産業自体がというのだ。
「言うまでもないけれど」
「はい、重要な産業です」
「最近日本の農作物も人気ですし」
「野菜や果物にしても」
「売れていますからね」
「農業を育成して」
保護も当然ながら必要というのだ。
「売り出すことは国の政策でもあるし」
「地方でもですね」
「ちゃんと考えてやっていかないと駄目ですね」
「だから先生も勉強されていますし」
「それも熱心に」
「そうだよ、僕は辻本先生の分野には殆ど関わっていないけれど」
老人票や組合票を背景にした政策はというのだ、後はやれ無駄遣いだのやれ庶民の為だの言ってダムや道路工事を批判している。
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