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選挙
第五章

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「選挙に勝たないとね」
「どうしようもない」
「それが現実ですね」
「選挙に勝つ」
「全てはそれからですね」
「そうだよ、じゃあその票を固める為に」
 まさにその為にというのだ。
「地元でだよ」
「選挙演説ですね」
「最初のそれですね」
「それを行って」
「それからですね」
「そう、奇麗ごとは抜きだ」
 こうした意味ではというのだ、資金集めや会計には細心の注意を払ってそうして奇麗にする様に務めていてもだ。
 この場合、票固めではというのだ。
「地元に行こう」
「そうしましょう」
「そして演説を行って」
「地元の人達の支持を集めましょう」
「そこからですね」
「そうだよ、やっていこう」
 こうしてだった、西岡は彼が生まれ育ち今も家があるその地元で選挙演説をはじめた。選挙カーで回り駅で選挙演説をした。
 その演説の時間もだ、当然考えていた。
「朝と夕方だね」
「はい、人が集まる時間」
「その時間にしましょう」
「どっちも効果があります」
「アピール出来ます」
「そうしよう、地元でも出来るだけ沢山の人達にだよ」
 それこそというのだ。
「演説を聞いてもらってね」
「名前と顔も覚えてもらいましょう」
「そうしましょう」
「夕方は県議会の大物の人も来てくれますし」
「気合を入れていきましょう」
「そうしよう、じゃあ」
 朝食は簡単にお握りだった、それを食べてからだ。
 西岡は駅前での選挙演説を行った、県内でも有数の大きな都市だったので多くの人に聞いてもらった、だが。
 辻本はその彼についてだ、ブログで言っていた。
「地元重視、古いやり方です」
「何か言ってますよ、辻本先生」
「これ先生のことですよね」
「地元重視とか」
「これって今日の演説ですよね」
「そうだろうね」
 夕食の野菜ジュースとカップ麺を口にしつつだ、西岡は応えた。選挙カーで夜まで回りさっきまで事務所で事務仕事をしていだ。
「というか我が党自体だね」
「そうでしょうね」
「何か辻本先生老人ホーム回ってたみたいですね、今日は」
「それでお年寄りと握手したりして」
「福祉をアピールしていたみたいですね」
「そうだね、けれどね」
 それはというのだ。
「何かね」
「はい、あざといというか」
「狙っているというか」
「そんな感じがしますね」
「どうしても」
「福祉、そして庶民派だね」
 ある種の政治家がよくアピールする政策でありカラーだ、ただしアピールはアピールで現実とは違う場合もある。
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