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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
739部分:第百十一話 鮮血の嵐その五
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さらにであった。
「ポセイドン様もハーデス様も間も無く動く」
「三つ巴になるか」
「ならば我等は余計に」
 さらに話す彼等だった。
「今は動くべきではないか」
「そうだな。今はな」
「様子を見させてもらおう」
「我が兄弟達が動こうともそれはそれでよい」
 玉座の男は何処までも冷静だった。それは全てがわかっているといった言葉ではなかった。己に対して絶対の力がありそれによってどうとでもなる、そうしたものがあからさまに見えている言葉であった。
 その言葉でだ。男はまた言った。
「アーレスはハーデスとは衝突しないだろうがな」
「やはりですか」
「ハーデス様だけはアーレスに対して親しい」
「ではポセイドン様ですか」
「あの方が」
「ポセイドンもどう動くかはわからない。しかし地上を治めるべきはだ」
 男もまた水面の中を見ていた。そうしてだ。
「私以外にはない」
「はい、その通りです」
「そして我等もまた」
「全ては我等の手中にある」
 彼はここでも絶対の自信を込めて言う。
「何があろうともそれは変わらない」
「ではその時こそ」
「我々もまた」
「そういうことだ。ではな」
 男はここまで話すとその手にある黄金の杯の中の黄金の酒を口に含んだ。そのうえでまた水面の中を見る。そこにある戦いを。


第百十一話   完


               2010・4・8

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