第二章
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「こうしてな」
「随分と砕けた格好ですね」
「ですが確かにですね」
「涼しいですね」
「本当に」
「この通りな、しかしどうもな」
ここでこうも言った王様でした。
「民達は皆夏は海や湖、川で泳いでおるな」
「はい、そうしています」
「涼しいですし運動にもなりますし」
「民達は水泳を楽しんでいます」
「子供達も」
「それはいいがどうも水着がな」
その水着について言うのでした。
「身体全体を覆ってそして妙に水が残って身体が重くなる」
「泳いでいますと」
「どうしてもですね」
「そうなります」
「水着は」
「それがわしはどうもな」
難しいお顔で言う王様でした。
「かといって全裸になるなぞもっての他」
「どうしたものか」
「そう思われるのですか」
「そうなのですか」
「どうしたものか」
王様はアロハシャツにサングラスといった格好で玉座で腕を組みました。
「少し服屋を呼ぶか」
「そうされますか」
「ここは」
「うむ、よい水着を作らせよう」
こう言うのでした。
「ここはな」
「といいますと」
「一体どういった水着を作られますか」
「服屋に」
「それはこれから考える」
王様は王宮にいる皆にこう返しました。
「まずは服屋だ」
「では今すぐ呼びます」
大臣が応えてでした、そして。
王様はすぐに服屋を呼びました、そのうえで服屋に水着のことをお話しました。
すると服屋はです、王様に考える顔で言いました。
「出来るだけ水が着かない水着ですか」
「そうじゃ、今よりずっとな」
「最も水が着かない服となりますと」
服屋は王様に考えるお顔で答えました。
「服の面積自体を徹底的に減らした」
「そうした服か」
「下着みたいな服になりますが」
「そうか、ではじゃ」
「そうした服でいいのですか」
「構わん」
王様は服屋に笑って返しました。
「ではな」
「はい、それでは」
「すぐに作るのだ」
こう服屋に言ってです、王様は服屋にその服を作らせるのでした。そして服が完成するとすぐにでした、王様は王宮の人達を連れて海水浴に出掛けました。
ですが王様が着ている水着を見てです、皆は驚きました。
「あの、王様」
「一体それは」
「その水着は」
「何なのですか」
「一体」
戸惑いながらの言葉でした。
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