第一章
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新説裸の王様
この国の王様は服が大変お好きです、とかく世界中から色々な服を集めたり作らせたりして楽しんでいます。
とにかく服が好きで色々な服を集めて着てみて言うのでした。
「この服もいいぞ」
「王様、その服はです」
豪華絢爛そのものの中国の服、冠まであるそれを着ている王様に大臣が言います。
「中国の皇帝の服です」
「そうだな」
「皇帝しか着られない」
「ははは、それだけに凄い服だな」
「昨日は中国の平民の服を着ていましたね」
「あれもよかった」
中国のこちらの服もというのです。
「日本の侍の服も公家の服もな」
「この前に作らせた」
「どちらもよかった、ドイツの山で着る服もよかったしアラビアの砂漠で着る服もな」
そういった服もというのです。
「イギリス、スコットランドのキルトもよかった」
「そちらもですか」
「スカートでな」
笑って言うのでした。
「よかったぞ」
「あの、王様」
侍従さんが王様に尋ねました。
「どうして様々な服を着られるのですか」
「集めて作らせてだな」
「はい、それは」
「わしが好きだからだ」
服をとです、王様は侍従さんに笑顔で答えました。
「だからだ」
「いつも仰っている通りですね」
「そうだ、その国にそれぞれの服があるな」
「はい、確かに」
侍従さんは王様に答えました。
「本当に色々な服が」
「その国のそれぞれの者にな」
「皇帝や平民の」
「武士や公家にしてもそうだ」
日本の、というのです。
「色々な国の色々な立場の者の服がある」
「そうした服を集められて作らせて」
「着ているのだ、その国のその立場の者の服があり」
王様はさらに言うのでした。
「そして気候もあるな」
「暑かったり寒かったり」
「湿気もある、服はそうしたことにも大きく左右されてだ」
王様はさらに言いました。
「それぞれあるものだ」
「そのことをご自身が着られて」
「学んで皆に見せているのだ」
「そうでしたか」
「服が好きなのもそうだがな、だが皆に見せたい」
是非にというお言葉でした。
「気候に合わせて無理のない服がいい」
「そういうことですか」
「夏には夏の、冬には冬のな」
「それぞれの気候、場所に相応しい」
「そうした服がな、何についても言えると思う」
服のこのことはというのだ。
「冬は暖かい服を着ればいい」
「夏は涼しい服を」
「その場所に相応しい」
「ですか」
「そういうことじゃよ」
笑って言う王様でした、これは冬のお話でした。
そして季節は移って夏になりでした、皆暑いので薄着になりました。それは王様も宮殿にいる人達も同じです。
薄着、アロハシャツになっている王様は
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