第三章
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「宜しくね」
「それじゃあね」
こうして彼は目出度くユエと結婚出来た、そして二人での生活をはじめたが。
共働きだがユエは料理も洗濯も掃除も万全だった、しかも何かと彼を立ててくれて気配りも万全だった。それでだった。
その妻を見たうえでだ、ゴーは今は助手つまり学者としての立場から学生達にこう話した。
「ベトナムの女性は菩薩と夜叉が同居しています」
「正反対ですが」
「菩薩と夜叉って」
「その二つの存在がですか」
「一緒に中にあるんですか」
「優しく気遣いが出来て」
そしてというのだ。
「かつ逞しく強いです」
「先生前は強いとしか言ってなかったですよね」
「逞しいとは言ってましたけれど」
「鬼の様に強く怒らせたら怖いとか」
「喧嘩をしたら獣みたいだの」
「浮気なんかしたらあの部分を切りにかかる」
「そんなことばかり言ってましたよね」
だから喧嘩するなと言っていたのだ。
「それがどうしてですか?」
「菩薩の要素まで入れるなんて」
「変わりましたね」
「菩薩と夜叉が同居ですか」
「そうした存在ですか」
「そうです、私は今はこう考えています」
こう真面目な顔で話すのだった。
「その内面にです」
「菩薩と夜叉がですか」
「正反対なものが同居している」
「そんな存在ですか」
「優しくて怖い」
「それがベトナムの女性ですか」
「怒らせたらすぐに手が出ます」
実は彼の妻もだ、彼女の妹と些細なことで喧嘩をしている場面を見たことがあるが髪の毛を掴み引きずり回そうとし合い引っ叩き合いと壮絶なものだった。
「しかしです」
「それでいて情けが深い」
「優しくもある」
「それがベトナムの女性ですか」
「そうです、怒らせては絶対に駄目ですが」
それでもというのだ。
「普段はとても優しいので」
「だからですね」
「交際、結婚するならですね」
「ベトナムの女性ですか」
「我が国の女性が一番ですか」
「そうです」
まさにというのだ。
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