736部分:第百十一話 鮮血の嵐その二
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第百十一話 鮮血の嵐その二
だがその中でも彼は立つ。そして嵐に向かって念じて叫ぶ。
「今です!」
「むっ!?今だと!?」
鮮血の嵐がさらに激しさを増して。それで竜を包み込んだ。
「今動かすか」
「その通りです、今こそ」
また言うアフロディーテだった。
「私が勝利を収める時!」
「来たか!」
「行け、クリムゾンソーン!」
技に対して叫ぶ。己の技に対して。
「その鮮血の嵐で今勝利を!」
「何の、させん!」
ミシェイルも対するように叫ぶ。そして。
その全ての小宇宙を氷の竜に込めてだ。そのうえでこう叫んだ。
「竜よ、その氷と毒とでだ!」
その二つを出してだ。
「ピスケスを倒せ!その嵐も!」
「攻めてきましたか」
「決めると言った筈だ」
ミシェイルの言葉にはまさに血が篭っているかの様だった。その言葉を今アフロディーテに対して言ってみせたのである。それだけのものだったのだ。
「そうだな」
「はい、そうです」
アフロディーテも返す。
「ですがそれでもです」
「勝てるというのなら勝ってみるがいい」
ミシェイルはさらに言ってきた。
「この私の竜、破ってみせよ」
「そのつもりです」
アフロディーテもそれに応えてだ。その嵐をさらに強めてきた。
「さあ、これで!」
「むっ、嵐がさらに」
強まったのだ。そうしてだ、
それが氷の竜を完全に包み込んだのだった。
「嵐が竜をか」
「それだけではありません」
さらに言う彼だった。
そしてだ。彼はその身体からさらに鮮血を出してみせたのだ。
「これで・・・・・・」
「何だと、まだ血を出すというのか」
「言った筈です、全てを賭けると」
先程の言葉を繰り返してきていた。
その言葉だけのものがあった。鮮血はそのまま嵐となり竜に襲い掛かる。そのまま嵐が力を増しているということであった。まさにそれだった。
それにより竜が退いた。僅かではあるがだ。
「竜がか」
「退きましたね」
「そうだな。だが」
それでもミシェイルはまだ言う。
「この程度ではだ。私もだ」
「まだですか」
「そうだ、私もまた言った筈だ」
アフロディーテの言葉をそのまま返す形になっていた。
そしてそのままさらに叫んできた。
「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」
「全ての小宇宙を」
「どちらにしろ貴様を倒せなければ先はない!」
だからだというのだ。
「ならばだ!ここで賭ける!」
「それでこそこのクリムゾンソーンに相応しい相手」
「そう認めるか」
「そうです、ならば」
さらに鮮血を出した。最早アフロディーテの全身の血を出していると言ってもいい。その鮮血によりまさにミシェイルを倒すというのだった。
嵐がまさに玄室全体を
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