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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
734部分:第百十話 薔薇の毒その五
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まではいかぬ」
「あくまで仕える神は、ですか」
「それにミーノス自身も好かぬ」
 ミシェイル自身の好き嫌いも存在していた。
「あの様に他の者を操りいたぶることによって悦に入る者はだ」
「好きになれませんか」
「貴様に倒されてのも道理」
 冷たい言葉だった。
「所詮その程度だったのだ」
「そう仰るのですね」
「だが。私は違う」
 彼はだというのだ。
「貴様を私自身の力で倒す」
「御自身の力で」
「しかもだ。苦しませたりいたぶることもしない」
 それもないのだという。確かな言葉だった。
「楽に死なせよう」
「それは有り難き御言葉。しかしそれは」
「それは?」
「私もまた同じこと」
 アフロディーテもなのだというのだ。
「貴方を苦しませることはありません」
「それは趣味ではないか」
「美しくありません」
 その行為自体について言ったのだった。
「ですから」
「そうか。だからか」
「では。今から」
「どちらの技が上か。勝負だ」
 こうして二人の最後の応酬がはじまった。彼等の戦いもであった。


第百十話   完


                2010・4・5

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