第三章
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「小鳥と一緒にお外出るつもりだったけれど」
「ポーカーしない?」
友人に一人がこう誘ってきた。
「これから」
「ポーカー?」
「そう、よかったらね」
「そうしようかしら」
梨沙は友人の誘いに傾いた、実際にどうしようかと考えだした。
だがここでだ、不意にだった。
急に揺れだした、しかも大きく。まだ食べている面々もいたが皆その揺れに食事や遊びどころではなくなった。
「地震!?」
「まさかと思うけれど」
「これ揺れ大きいわよ!」
「早く机の下に隠れて!」
誰かがクラスの中でこう言ってだ、実際にだった。
皆一斉に机の下に隠れにかかった、だが梨沙はここで寝ている小鳥を見てだった。
小鳥に声をかけようとした、だがここで彼女の事情を思い出した。
「小鳥起きないんだった」
「どうするの、この娘」
「このまま放っておけないでしょ」
何が落ちてくるかわからないからだ。
「じゃあもう机の下に放り込みましょう」
「寝ているけれど」
「そうね、じゃあね」
クラスメイト達の言葉に頷いてだ、それでだった。
梨沙は急いでだった、寝ている小鳥の身体を持って机の中に押し込んだ。そしてその後でだった。
自分も机の下に潜り込んだ、そのうえでまだ寝ている小鳥を見て言った。
「起きないわね」
「結構大きな地震だけれどね」
「この状況でも起きないわね」
「まだ揺れてるのに」
「すやすや寝てるわね」
クラスメイト達も目を閉じて幸せそうに寝ている小鳥を見て言う。
「起きない起きないって思ってたけれど」
「地震でも起きないのね」
「これはもう相当ね」
「ある意味凄いわ」
「本当にこうした時は起きてくれないと」
困るとだ、梨沙はその小鳥の顔を机の下で間近に見つつ言った、そして。
揺れが収まると校内放送がかかった、それでだった。
皆校庭に避難することになった、しかし。
梨沙はまだ寝ている小鳥を見てだ、クラスメイト達に言った。
「この娘どうしようかしら」
「まだ寝てるわね」
「これでも起きないって」
「どうしたものかしら」
「これは」
「置いていけないし」
またこうしたことを言った梨沙だった。
そしてだ、クラスメイト達にこう言ったのだった。
「担いで行くしかないわね」
「一五三のあんたが一六七の小鳥を?」
「この娘胸もかなり大きいから体重あるわよ」
「辛くない?」
「友達だから」
それでというのだ。
「放っておけないし」
「じゃあ私達全員で担いでいきましょう」
「確かに放っておけないしね」
「それじゃあね」
「皆で担いで行きましょう」
「そうしましょう」
「そうね、それじゃあね」
梨沙はクラスメイト達の言葉に頷いてだ、そしてだった。
梨沙が小鳥を
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