第二章
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「いいわね」
「ううん、じゃあね」
「そういうことでね」
「起きる様になのね」
「していてね」
「具体的にはどうすればいいかしら」
小鳥は梨沙の忠告に考える顔で問い返した。
「それで」
「何かすぐに起きられる方法見付けたら?」
「目覚ましやフライパン以外で」
「そう、音以外でね」
とりあえず二十の目覚ましにフライパンが近くで鳴らない限り起きない体質であるからそれ以外でというのだ。
「何かね」
「音以外で何かあるかしら」
「身体ゆするなり何なりあるでしょ」
「あるのね」
「そう、何でもあるでしょ」
「あるかしら、まあ探してみるわね」
自分でもと言う小鳥だった、実際に彼女自身も探すことにしたがすぐに見付かる訳でもなくてそれでだった。
小鳥の居眠りの体質はたまに授業中に発揮され起きなかった、それはこの日の数学の授業でもだった。
ぐっすりと寝ている彼女を見てだ、数学を教えている福田先生は眉を顰めさせてそのうえでこんなことを言った。
「一体どうしたら起きるんだ」
「雷でも台風でも起きないっていうし」
「どうしようもないんじゃ」
これがクラスメイト達の返事だった。
「一旦寝たら起きないですからね」
「それこそ本人が目を覚ますまで」
「これだけ起きない人間ははじめて見た」
小鳥を見て言うのだった。
「どうしたものか」
「田中起きないですからね」
「諦めるしかないですよ」
「ずっと寝てる訳じゃないですから」
「起きることは起きますから」
「起きたら怒るか」
居眠りするな、というのだ。
「そうするか」
「はい、じゃあ放置しましょう」
「今はそうしてです」
「そしてですね」
「それからですね」
「困った奴だ」
先生は憮然とした顔で言った、今はそうしているだけだった。
そして授業中に目を覚ました小鳥に寝るな、と注意した。とにかく小鳥は一旦寝たら起きない娘だった。
そんな小鳥だったがこの日も居眠りをした、昼食の後で気持ちよくなってだ。
梨沙と一緒に弁当を食べて教室の中で眠りだした、梨沙は自分の前でうつ伏せになってすやすやと寝る小鳥を見て苦笑いを浮かべた。
「全く」
「ああ、小鳥また寝たわね」
「居眠りしたわね」
「今日は食べてすぐに寝たわね」
「そうなったわね」
「起きるまで待つしかないわね」
梨沙はクラスメイト達に言った。
「暫く」
「そうね、授業はじまるまでに起きればいいけれど」
「起こしても起きないからね」
「放っておくしかないわね」
「このままね」
「買ってきた雑誌読もうかしら」
こう言った梨沙だった。
「りぼん買ってきたし」
「あっ、最新号?」
「最新号買ったの」
「そう、それを読もうかしら」
こう言うのだった。
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