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逆柱
第四章

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「それで」
「今から諏訪君に連絡します」
「あの人にですか」
「彼女が一番詳しいので」
 だからというのだ。
「今彼女に時間があれば」
「その家に行き」
「実際を見るのですか」
「本当に凄いことになっています」
 池田は夫婦に真剣な顔で話した。
「見られて驚かないで下さい」
「そこまでのものですか」
「そのお家は」
「お二人共霊感はありますか」
 池田は二人にこうも尋ねた。
「そうしたものは」
「まあそうしたものは否定しないです」 
 先に哲章が答えた。
「タクシーの運転手を長い間していますと」
「まさか」
「はい、青山墓地の話は有名ですが」
 タクシーの幽霊だ、青山墓地にまで青白い顔をした客を連れて行くと墓地に着いた時点で消えているという話だ、そしてその客が遺族から聞くと死んでいたというのだ。
「他にもそうした話があって」
「ご主人もですか」
「そうした経験がありました」
 実際にというのだ。
「夜に青白い顔をして立っている人は何度か観ています」
「夜道にですか」
「ええ、踏切にずっと」
 まさにそこにというのだ。
「電車も通らない時間で踏切も開いているのに」
「踏切にはそんな話もありますね」
「そうしたのを観ていますから」
 だからだというのだ。
「私も否定しないです」
「私もです」
 真弓も池田に言う。
「実はそうした場所に行きますと」
「感じらますか」
「はい」
 実際にというのだ。
「ですから」
「そうした場所に行けばですね」
「感じます」
「そういうのを感じない人でも感じる位なんですよ」
 その逆柱の家はというのだ。
「行ってみて下さい、それで」
「実際にですね」
「そうしたお家がどういったお家か確かめろということで」
「はい、ご自身の目で」
 こう夫婦に言うのだった、そして都合のいいことに諏訪はこの時たまたま仕事がなく二人のところに来ることが出来た。
 そのうえでだ、二人にこう言ったのだった。
「お話は池田さんから聞いてます」
「はい、それでは今から」
「そのお家にですね」
「案内します、私もこうしたお話は否定しません」
 むしろと言う諏訪だった。
「いえ、観ていますから」
「肯定されますか」
「そうですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「そしてそのお家も知っていますので」
「では今からですね」
「そのお家にですね」
「案内します」
 こう言って実際にだった、諏訪は二人をその家まで案内したのだった。
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