第三章
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「新婚早々それもないでしょ」
「だからなんだ」
「ついていくわ」
大阪にとだ、彼に言った。
「そうしていいわね」
「いいというか驚いてるよ」
「この展開に?」
「かなりね」
実際にというのだ。
「僕はね」
「私もよ、けれどね」
「驚いていても動いているわね」
「女はそうなの」
驚くその中でも頭は冷静に動いている、この辺りは女ならではと思う。それで私は彼に女として言っていった。
「こうした時でも何処か冷静なのよ」
「それで考えられるんだね」
「動けるのよ」
考えるうえでだ。
「それが出来るの」
「そうなんだね」
「それでいいわね」
「うん、入籍してだね」
「私は退社の手続きをしてね」
「僕は転勤と引越しの用意だね」
「住む場所も考えましょう」
私は彼にこのことも話した。
「一人じゃないから」
「二人だからね」
「しかも三人になるかも知れないわよ」
将来のこともだ、私は言った。
「だからね」
「一人暮らし用のアパートじゃなくて」
「会社に紹介してもらいましょう」
「社宅かな」
「それがいいかもね」
「じゃあ社宅に入ろう」
彼は私に言った。
「二人でね」
「わかったわ、じゃあそうしましょう」
「大阪で新婚生活だね」
「ストライプの街でね」
黒と黄色のだ、いきなりそうなった。そこから一ヶ月は本当に私も彼も目が回る位に忙しくてとりあえず式は落ち着いてからにして。
入籍して退社して転勤と引越しの手続きをしてだった、引越しの荷物は事前に社宅の方に送ってからだった。
私達は大阪までの新幹線に乗り込んだ、その新幹線を見て私は思った。
「模様にはなっていないけれど」
「考えてみれば新幹線もね」
「白と青でね」
「模様だね」
「ストライプと言うには強引かしら」
模様とまでは至っていないからだ、二色の塗装か。
「そうかしら」
「そうなるかもね」
「そうよね」
「何か僕達ってストライプと縁があるね」
「というか貴方が好きだから」
夫になった彼に言った。
「そうなるのよ」
「そっちなんだ」
「そうよ、じゃあ今から」
「新幹線に乗って」
「大阪まで行こうね」
「私達の新しい場所に」
二人で話してから新幹線に乗り込んだ、そうして大阪に着いてから新しい生活をはじめた。大阪での生活は私が思った通りだった。
ストライプが大阪以上に多かった、黒と黄色に黒と白、縦縞ばかりだった。
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