外伝 ダンまち編 その3
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並ぶ街並みは石を積み上げた石造りの建物。街には荷馬車が当然のように走り、商店街だろうか。市場のような通りに様々な商品をならべ、客を呼ぶ声がひっきりなしに飛んでいる。
歪なのはそのような街の中心に摩天楼の如く聳え立つ巨塔が異彩を放ち、さらにはそこへ向かって歩いていく人々の格好は中世でもお目にかかれないほどに多種多様な武器防具を身につけた荒くれ者たち。
冒険者と言うらしい。
さらに街を見渡せば数多くの亜人が普通に闊歩しているのが確認できる。
「まぁ、そんな情報を元に考えると、完璧に…異世界…」
「ええええっ!?」
「デェスっ!?」
「きりちゃん、うるさい」
少女のため息と共に呟いた言葉にその隣に居た少女達が絶叫を上げる。
異国情緒というよりも中世から進歩していない街並みの壊れかけた石造りの隘路にたたずむのは三人の少女と一人の青年。
「バビロニアの宝物庫の内部を整理していた時に見つけた怪しげな装置、まぁアレが原因だろうね」
と青年。アオが言う。
「きりちゃん…」
調が隣に居た切歌に冷たい視線を送る。
「あはははは…面目ないデェス…」
どうやら静止の声も聞かずにその何かの装置を起動した下手人であるらしい。
「どどど、どうすれば…か、帰れるんだよねっ!?」
声を上げたのは響だ。響は見上げるようにアオを向く。
「まぁ、こう言うのには慣れてる。悲しいけどね。だから、時間をかければ帰れるよ。…ただ」
ただ、とアオは声を一旦切る。
「ただ?」
と響が問い返し、それに催促されるようにアオは答えを返した。
「未来やクリス、翼やマリアも多分この世界に飛ばされている。彼女達を見つけなければ…」
「でも、それこそどうやって?」
と調
「まぁ、それも何とかするよ」
とアオが言う。
「ただ、今はまだこの世界には居ないみたいだけどね」
アオ達から距離が遠かったから恐らく時間を置いてこの世界に飛ばされてくるだろう、と言うのがアオの見解だ。
まず彼女達を見つけ出し、その後帰還。
『お……と…………さ……』
「ん…?」
アオは何かを感じ取ったように視線を彷徨わせる。
その視線の向かった先には白亜の巨塔が見てとれた。
(いや、そっちじゃない…もっと…下?)
視線を地面に向かわせる。しかし…
「気のせい…か?」
「それで、どうするのっ!?どどど、これから、どうしたらっ!?」
と響が慌てている。
「それに、アオさんやミライちゃんはいつの間にか言葉を覚えちゃってるけど、わたし達は何を言っているかさっぱりだし…」
「わたし達、この世界のお金を持
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