外伝 ダンまち編
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さらず』
心地よい風がアオの体を吹き抜けるとボロはそのままだが汚物のような体臭は綺麗さっぱり無くなった。
見た目の割りに体に傷が無いのはソルがアオに危険が及ぶと魔法を自動発動していたのだろう。
まぁ、その為に鬼子として疎まれていたわけでは有るが…
「さて、どうするか…特に目的も無いけど…まぁまずソラを探さないとかな」
自分がここに居る以上ソラもどこかに居るはずなのだ。
「もしくは、居ない方が良いのかもしれないな…」
そんな独白。
覚醒後、アオはソルからこの世界の情勢を聞くと今後の活動を思案する。
「ダンジョン、ねぇ…お金を稼ぐには手っ取り早そうだが…」
しかし、ギルドに加盟するには最低【ファミリア】に加盟する事が条件。さて、どうするか…
「こんな貧相な子供を【ファミリア】に入れてくれる所があるかどうか…それならいっそ」
新しい【ファミリア】なら可能かもしれない。そう考え、そして否定する。
フリーの神なんてそれこそ探す方が難しいだろう。
「あーあ、どこかに神様落ちてないかな…」
テクテクと取り合えず街の明かりに釣られるように貧民外を出ようと歩いていたとき、アオの足が何かを踏みつけた。
ブミッ
ブヨンと弾力に弾み返され視線を向けると横たわる人影。
「わわわわわっ!?」
バランスを崩した体を何とか制御して踏み越えると後ろを振り返り確認。
「…うん、見なかった事にしよう」
何も無かったとアオは歩を進めるが…その足首を何ものかが掴み再びバランスを崩し…
「うわわわっ!?」
そして転倒。
「あたたたた…」
足首をあらん限りの力で拘束する何か。視線を向ければ薄汚れているが纏う雰囲気が精錬だ。
神──
地上の者たちは降りてきた神を一目で分るらしい。
まぁこの普通の人では無い気配を誰もが感じるならそれは一目瞭然だろう。
頭の両端でピンクの髪をリボンでアップに纏めている。見た感じ少女のような体つき。
この貧民外はあらゆるものが吹き溜まる。それはどうやら神様も同様らしい。
「おなか…空いた…」
と言って力なく倒れこむ女神。次いで拘束していた右手の力も抜けたようで拘束を脱する。
「とは言っても…俺も何も持ってないんだけどね…」
自身の体を見るに食料関係を持っているようには見えない。
きょろきょろと辺りを見渡して見つける事が出来たのは強要の井戸くらいだ。
「しかたない、か…」
アオはその女神を道の脇の壁に横たえると井戸へと走る。
当然コップなんてものを持っている訳も無く…
手酌で水を救うと女神の元へと掛け、口元へと傾ける。
つーっと女神の口に水が入
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