外伝 ダンまち編
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この世界には神様が身近に居て、そして世界に唯一つ、本物のダンジョンが有る。
ここは世界の中心とも歌われる巨大都市、オラリオ。
この世界で一攫千金を狙いたいならダンジョンに潜れ、とまで言われる夢と悲劇、そして冒険が紡がれる。今日もまた、この世界の中心で。
神様は本来万能だ。何でも出来て、下界のものなど足元にも及ばないような力を持っている。
しかし、そんな神様達が下界に下りて来る時、彼らは彼らなりにルールを設けた。
神様はその体に宿る神の力、アルカナムのほぼ全てを封じ込めまたそのアルカナムを行使すれば強制的に神の世界に帰される。
神でありながら、下界の人間達と同じ舞台に立ち生活したいと言う超越者の娯楽的欲求の為にあえてそう言ったルールを設けたのだ。
しかし、何の力も持たない神様が下界で生活で来るか、娯楽を謳歌できるかと言う問題が浮上する。
生きる為にはお金が必要。それは神であっても変わらない世の摂理だったのだ。
そこで神様は自身の恩恵、ファルナを人間達に与える事でその恩恵を与えた人間達に養ってもらうと言う構図を思いついた。
神の【ファミリア】の形成だ。
事実、恩恵は人間達を劇的に強化させ、モンスターの蔓延る原野からあらかた駆逐させてしまうほどだった。
そして現在。
人間達はこのモンスターの発生場所に蓋をするように巨大な塔と街を作り、モンスターの地上への進出を防ぎつつ、冒険者達がダンジョン内からいろいろな物を持ち帰ることで発展していくと言う構図が続いている。
つまり冒険者とは神の力で強化され、神を養いつつダンジョンに冒険と富、名声を求める者たちと言っても過言ではない。
そんな華やかな都市の裏側には裡捨てられた建造物が見える様に、貧民層も存在する。
これは大都市には付き物の癒える事の無いガンだ。
そこにはいろいろなものが吹き溜まる。
ならず者、お尋ね者、そして親に捨てられた子供。
「ああ、いつもの転生か…」
年は5か6か。自分の手のひらを握り身長を確認して男の子はそう言葉を発した。
纏っている服はぼろく汚い。髪の毛も手入れされているとは言い難くボサボサだ。
いかにも乞食の子供と言う様相。
しかし特徴を挙げれば恐らく綺麗にすれば日の光で輝く光沢を照り返すだろう銀の髪と、それに隠れて目立たないが普通のヒューマンとは異なるとんがった耳を覗かせる。
そしてそんな彼に見合わない一つの宝石が彼の胸元で揺れていた。
「ソル、悪いんだけど。浄化かけてくれるかな?」
『了解しました。ようやく思い出されたのですね』
「まぁね。いままで守ってくれたんだろう?ありがとう」
『お気にな
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