第20夜 口伝
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のなら、いっそペトロ・カンテラの破壊ないし無力化を試みるのが道理ではないだろうか。無論、呪獣がそこまで高度な知識を持っていればの話だが。
今のところ予想ではこの呪獣は外灯の上から人間に奇襲を仕掛けているとみて間違いない。
その根拠は、犠牲者の遺留品が全て音を立てて地面に落ちたという証言があるからだ。事実、ガルドの杖も音を立てて落ちたし、ガルドの者と思しき血があった以上は攻撃を受けたと考える他ない。死体の在処は、常識外れの膂力で吹き飛ばされたか釣り上げた直後に喰われたかの二択。
目撃証言では遠くから落下音が聞こえたり死体が周囲で発見されたという事実がないため、高確率で喰われているだろう。致死量の血痕も未発見だ。
(――集められる情報としては、こんなものか)
集めた情報を書き込んだ手帳をぱたんと閉じ、他に必要なものを考えうる限り考える。
現在考え付く最善にして、自分の手に入るものを――。
「…………ギルティーネさんに差し入れあげないとな」
何故か頭の中におなかを空かせて涎を垂らしているギルティーネ犬の姿が思い浮かぶ。
最初に手に入れたのは、軽食だった。
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