片鱗の時間
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丈一郎の手を押し反動で烏間先生は丈一郎から距離を取った。これでは5pリーチを縮めたとしても攻撃が届く訳がなかった。
(危なかった……あとコンマ0.5秒でも反応が遅ければやられていた!)
この時、既に勝負は丈一郎の敗北が8割方決まっていた。それでも烏間先生は全く油断などはしない。
それは丈一郎の勝利に対する執念……烏間惟臣という男は執念だけは今の自分よりも丈一郎が優っている事を感じ理解していた。一瞬の油断が自分の首を締めると分かっていたんのだ。
しかも、彼には丈一郎が一朝一夕では埋める事が出来ない経験の差があった。
経験の差だけは如何に才能が優れたものでも容易に埋める事はできない。ましてや、相手は数多の修羅場を超えた超一流の戦闘のプロ…そうみると不良の喧嘩が経験の大多数を占める丈一郎は修羅場の質だけをみると劣ってしまう。
しかも、どう足掻こうが執念などではこの状況をひっくり返す事など不可能!
(大した少年だ…才能に恵まれてる。その気になれば世界でも五本の指にはいる達人になるだろう…)
烏間先生が丈一郎に対して賞賛を……戦闘を見ていた生徒達が丈一郎の敗けだと思う中…丈一郎は…
(おいおい…まだ終わってねーぞゴラァ!)
丈一郎はまだ諦めては居なかった。誰もが丈一郎の勝ち目はないと諦めている状況でも、丈一郎は諦めるどころか勝つ為に更に闘志を燃やし烏間先生を睨んでいた。
「ブチかますぜ…オラァ!」
掛け声と共にゴキゴキと関節の外れた様な鈍い音が聞こえ丈一郎の腕が人間が伸ばす事の出来る限界を超え烏間先生の肩を対先生ナイフが突き刺さした。
(何ッ!バカな……腕が伸びただとッ!)
百戦錬磨の精鋭軍人の烏間先生とはいえ何処ぞやのミリオンクラスの海賊漫画の主人公の様に腕を伸ばす相手と戦った経験などある訳がなく
「俺の勝ちです」
丈一郎が最初に右手に持っていた対先生ナイフを首元に突きつけられ勝負は決した。
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